
エルサレム:月曜日、イスラエルの前首相ベンヤミン・ネタニヤフ氏が法廷に出頭し、汚職裁判での検察側の重要証人と対峙した。
ネタニヤフ氏は6月まで12年にわたり首相を務めたが、収賄、背信、詐欺の疑いで起訴され、無罪を主張している。容疑の中心は、大手メディアに対して規制上の優遇措置を与えた見返りに、好意的な報道と同時に葉巻やシャンペンなどを受け取ったというものだ。
今は野党党首となったネタニヤフ氏は、黒いマスクを着け微笑みを浮かべながら、エルサレム地裁の法廷に入室し、自身の元スポークスマンであり、側近であったニル・ヘフェッツ氏の証言を聴いた。ヘフェッツ氏は元支援者ながら国側の証人となり、初めて在職中に刑事訴追を受けた首相にとって不利な証言をしている少人数のグループの一員である。
ヘフェッツ氏は「ネタニヤフ氏は安全保障の問題以上に多くの時間をメディア対応に費やしており、その中には外部から見れば馬鹿げた案件もあった」と証言した。
ネタニヤフ氏(72歳)は証人尋問に出廷する義務は無く、めったに出廷していない。廷外の路上から支持者集団の叫ぶスローガンが聞こえてくる中、氏は報道陣に対して無言を貫いた。支持者は反ネタニエフ派の小グループとにらみ合っていた。
ネタニヤフ氏の裁判はイスラエルを二分する問題となっている。忠実な支持者たちはこの裁判を人気ある右翼リーダーに対する左翼の魔女狩りだと嘆き、一方、強固な反対派は、イスラエルを2年におよぶ政治的混乱に陥れた、政府による重大な汚職に対する法の勝利だと歓呼している。
政局は4回の選挙で決着がつかず、6月にネタニヤフ氏の右派の元盟友ナフタリ・ベネット氏が、右派、中道、左派、アラブ系イスラム教政党の寄せ集め連立政権を樹立して、イスラエル史上最長の政権を維持したリーダーにとって代わった。
ロイター