

テヘラン
米国で捕らえられたイラン人とイランで捕らえられた米国人が解放されたと、両国が土曜日に発表した。緊張が高まっているこの時期に明らかに囚人交換によるものである。
米国人研究者のシユエ・ワング氏が母国に戻るとワシントンが発表する少し前に、テヘランは、イラン人科学者のマサウド・ソレイマニ氏が米国から解放されたと発表した。
「マサウド・ソレイマニ教授とシユエ・ワング氏がまもなく家族のもとに戻るのはうれしいことだ」とイランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣はツィートした。
「全ての関係者、特にスイス政府に対し大いに感謝したい」とザリーフ氏は述べた。スイス政府は外交関係がない中、イランにおける米国の利益に対応してきた。
ワシントンで発表された声明で、米国のドナルド・トランプ大統領は「イランに3年以上拘留された後、シユエ・ワング氏は米国に帰ってくる」と述べた。
マイク・ポンペオ国務長官は、米国は「テヘランが本件に関し建設的であったことを喜ばしく思う」と述べ、またスイスに対しその果たした役割に感謝の意を表明した。
イランの司法当局のミザン・オンライン・ウェブサイトの声明では、ワング氏は「イスラムの慈悲により解放され」、米国に戻るためにスイスの当局者に引き渡されたと伝えている。
ワング氏は、中国生まれの米国人で、スパイ罪によりイランで10年の刑に服していた。
プリンストン大学の歴史の博士号取得候補者で、2016年8月に投獄された時、イランのカジャー王朝を研究していた。
イランの国営通信社IRNAは、ソレイマニ氏は「1年間違法に拘留された後、さきほど解放され、スイスのイラン当局者に引き渡された」と伝えた。
テヘランのタービアット・モダレス大学の教授で幹細胞の上級研究者であるソレイマニ氏は、イランのメディアによると、2018年10月、シカゴの空港に到着時に、成長ホルモンを持ち出そうとしたという容疑で逮捕された。
「家に帰る」とザリーフ氏は別のツィートで語った。
ツィターの投稿には、イラン国旗がついた飛行機の外と内側で外務大臣がソレイマニ氏と並んだ写真を載せている。写真がいつ撮られたかははっきりしない。
米国とイランは、1980年以来外交関係をもっていない。
二つの敵対国の関係は、トランプ氏がイランの核プログラムに制限を加える見返りにイランへの制裁を軽減する国際協定から撤退した2018年5月に悪化した。
イランは1年後、核協定下の約束のいくつかを停止することで報復した。
この最大の敵同士は、イランが米国のドローンを撃墜し、トランプ氏が報復攻撃を命令したが直前で中止した今年6月には、軍事衝突の寸前にまで来ていた。
イランは長年にわたり、大部分はスパイ容疑で、数人の外国籍者を逮捕してきた。
その中には、米国の軍人であるマイケル・R・ホワイト氏、英国系イラン人の母親であるナザニン・ザガリラトクリフさん、フランス人学者であるローランド・マーシャル氏、オーストラリア人の大学講師であるカイリー・ムーアギルバートさんがいる。
その他二人の旅行ブロガーであるジョリー・キングさんとマーク・ファーキン氏は、米国で指名手配されていたイラン人学生のレザ・デーバシ氏との別の明らかな囚人交換で、イランにより10月に解放された。
9月には、ワシントンのテヘランに対する制裁に違反したとして米国で刑を言い渡されたイラン人女性が釈放され帰国した。
ネガー・ゴッドスカニーさんは、2017年にオーストラリアで逮捕されたが、その後米国に送還された。彼女は制裁に違反して不法に技術をイランに輸出する謀議に加担した旨自供したと米国は伝えている。
彼女は、逮捕時妊娠しており、27ヵ月の刑を言い渡されたが、拘留期間中に既に刑期を務めたとして釈放された。
海外で拘留されているイラン人の数は不明である。
AFP