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レバノンのバシール氏、同国政治の機能不全についてヒズボラを批判

テレビ放送された自由愛国運動党首ジブラーン・バシール氏の発言はヒズボラに対する不満がこれまでにないほど鬱積していることの表れである。(ファイル/AFP)
テレビ放送された自由愛国運動党首ジブラーン・バシール氏の発言はヒズボラに対する不満がこれまでにないほど鬱積していることの表れである。(ファイル/AFP)
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03 Jan 2022 08:01:38 GMT9
03 Jan 2022 08:01:38 GMT9
  • 自由愛国運動(FPM)を率いる同氏は「『悪い連中』と組むよりは孤独がまし」と述べる
  • ヒズボラの代表者ハッサン·ナスラッラー氏が月曜日に演説を予定している

ナジャ·フーサリ

ベイルート:昨年同様、政治の機能不全状態で2022年が訪れたレバノンではジブラーン·バシール議員がヒズボラへの批判を強めている。

ヒズボラおよびアマル運動出身の大臣らが閣僚会議への参加を拒んでおり、未だ再開の見通しが経っていない。

自由愛国運動(FPM)を率いるバシール氏は日曜日、同氏が「民兵の軍閥指導者および汚職の首謀者たち」と呼ぶ人物らを激しく非難した。

批判の矛先はヒズボラにとどまらず、国民議会のナビーフ·ビッリー議長やレバノン軍団のサミール·ジャアジャア党首に対しても向けられた。中央銀行のリアド·サラメ総裁もバシール氏の批判の対象から漏れなかった。

「マール·ミカエル合意」に基づいて2006年以来ヒズボラと同盟関係にあったバシール氏はこう問い掛けた。「合意に成り立つ民主主義はどこへ行ったのか。それは内閣を機能不全に陥れ、大統領個人とその統治を攻撃する、ということなのか。それは憲法評議会を攻撃するということなのか。姉妹国らと共に課題を解決するための防衛戦略はどこへ行ったのか」

レバノンでは経済が危機的状況にあるなかで非常に重要な国会議員選挙が予定されており、FPMは苦戦が予想されているなかで同氏は今回の発言を行った。

同氏は「空約束を行い、その上で我々や我々の存在意義をけなすことは許容できない。もちろんヒズボラと組めば我々にとっては選挙に向けた大きな力となるが『選挙の勝利』と『尊厳の維持』という選択を迫られるのであれば、悪い連中と組むよりは孤独がましだ、と私は述べるだろう」と付け加えた。 

同氏は続けてこう述べた。「ヒズボラのハッサン·ナスラッラー書記長は『このようなことは密室で協議されるべきである』と述べるだろう。それは事実であるが、これまで何度も直接分かりあう努力をしてきたのだ」

「レバノン国民にとって不変のものに基づく健全なヒズボラとの理解を無下にはしたくない。だがそれは有効性を失ってしまったため、我々はより良い理解を求めているのだ。我々にとっては「国家」と「改革」が最優先である。彼らの優先事項は「抵抗運動およびその防御」である。「国家」と「抵抗運動」を失うことはできないが、どちらにも勝利することは可能だ」

これはミシェル·アウン大統領ならびにその一派とヒズボラならびにビッリー議長の対立が激化していることを受けての発言でもある。

大統領の署名が必要な特別国会の開催をビッリー議長が強く求めていることもあり、対立はこの先も続くと見られている。ナスラッラー氏は月曜日に演説を行う予定だが、どのような発言をするかに注目が集まっている。

米国のドナルド·トランプ前大統領が提案した中東和平計画であった「世紀の合意」といった外国による計画や、キリスト教徒としての「我々の正当な権利を標的とした」国内の計画に対抗した組織はFPMのみである、とバシール氏は述べた。

「ターイフ合意の成果を破壊するものらの手によって、我が国の民主主義は全会一致がかなってもいかなる決定もなされない分裂的なものに成り果ててしまった。妨害する理由を理解することはできない。国会は好き勝手な法案のみを承認し、その他は引き出しの奥底にしまい込んでしまう。その中には発電所に燃料を供給するためのガス法案や犯罪監査に関する法律も含まれている」と同氏は付け加えた。

法案が国会の議題に上がるか上らないかの最終的な決定権をビッリー議長が握っている、とバシール氏は述べ、分権化された行政·金融システムを求めるアウン大統領に同調した。

「力で要求を押し通そうとするものは、これまでそう試みたものがどうなったかを思い起こして考え直したほうがいい」とバシール氏はいう。

自身も議員を務めるバシール氏は「政治システムの重鎮たちによって政治的に守られている」と同氏が形容するサラメ総裁も批判した。

サラメ総裁は人民のお金を史上最大規模で組織的に強奪することを陰で操っている、とバシール氏は非難し、総裁に対しては世界7カ国で逮捕状が請求されているが「レバノンで彼に対処しようと試みるものはいない」と主張した。

バシール氏は中央銀行が管理する口座に対する監査を総裁が妨害し、IMF(国際通貨基金)との金融再建計画を故意に妨げている、と主張している。

バシール氏はさらにサラメ総裁は「非合法に預金にヘアカット(額面価額からの減額評価)をするなどして現在も私腹を肥やし、秘密裏に海外送金している」と述べた。

国際社会はヒズボラの孤立化を目論んでいるため、ヒズボラ支援のためにFPMが被った代償についてバシール氏は言及した。

「孤立化させることに同調するよう求められた際に我々は拒否した。我々はイスラエルならびにダーイシュに対する抵抗運動に対して政治的支援を提供した。見返りとして政治的支援をヒズボラから受けることもあった。ヒズボラを孤立化させる試みは現在も続いている」と同氏はいう。

政治評論家らからはキリスト教徒の間で人気に陰りがでているとみられているバシール氏だが、ジャアジャア氏についても「イスラエルならびに米国という外国勢力の手先としてレバノン国内における扇動を企てている」と主張した。

バシール氏の発言に対してレバノン軍団のイマド·ワキーム議員がツイッターに反論を投稿した。「彼は妄想を解き放った。アウン大統領が失った権力やキリスト教徒の権利について彼が語り、FPM以外の全員にその責任をなすりつけるのは当然のことだ。彼は人々から『ピノキオ』と呼ばれており、誰も彼が言うことを信用していないのを彼は忘れてしまったのだろうか」

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