
ナジャ・フーサリ
ベイルート:土曜の夜、抗議デモの参加者たちが主要な発電所を襲撃し、電気設備をいじったため、国全体が数時間にわたり停電し、レバノンの国民全員が集団責任を負わされることとなった。
抗議でもはベイルートから22km離れたアラムーンにある主要な発電所を襲撃し、自分たちの住む地域への電力供給を安定させるために設備に手を加え、結果的にすべての発電所に影響が及ぶトラブルが発生した。
デモ参加者は電力の供給状況に差別が見られると主張し、「自由愛国運動の権限下にある地域には電力が供給されているが、運動に反対する人々が増えていると考えられる地域にはまったく供給されていない」と話した。
アラムーン近郊のショイファットで自家用発電機を所有する住民は、日曜日の朝にはレバノンのそれぞれの地域での電力供給が同じ配分に戻ったため、現状に対する人々の憤りがいつ爆発してもおかしくないと語った。
ナビ・アル・ドゥラ氏はアラブニュースに対し、「レバノンの国営電力会社が国民に提供している総電力量は、朝の1時間と夜の1時間だけだ」と、述べた。
残りの必要な電力は自家用発電機でまかなわれるが、多くの人にとっては費用がかかりすぎるし、いろいろな問題もある。
アル・ドゥラ氏は、人々は1キロワットの電力に対して7100レバノン・ポンド(4.72ドル)の料金を払うことができないため、加入者数は25%減少したと話す。
EDLは、抗議デモ参加者の一部がアラムーンの発電所に入り込み、「自らと発電所の職員の身の安全を脅かした」と書いた声明を発表した。
発電所での彼らの行動が電気ネットワークの障害を引き起こし、結果として国内すべての発電所が切断され、全国的な停電につながったという。
EDLは「すべての当局と治安部隊に対し、同社の全施設をさらなる攻撃から守り、制御の及んでいない変電所の制御を回復する必要性について」改めて訴えた。
同社はアラムーン発電所の戦略的重要性を指摘。アラムーンはアル・ザハラニ発電所とその他の電力ネットワークをつなぐ主要な中継所となっている。
一方、ビシャーラ・ブトロス・アル・ライ総主教は日曜日に、現在の政治・経済危機について改めて懸念を表明した。
「内閣が休止状態のままであることは容認し難い。特に、国際通貨基金との合意には閣僚会議全体の承認が必要だからだ」と、総主教は日曜の礼拝で語った。
また、「レバノンとアラブとのつながりは、その自然環境、そして歴史全体を通じてのレバノン文明とアラブ文明と交流に調和している。地域紛争でも派閥争いでもなく、これこそがレバノンの存在を意味づけるものだ」と、強調した。
総主教の法話が行われた日曜、公式ドル為替レートは3万レバノン・ポンドの壁を破った。レバノン・ポンドのドルに対する通貨価値は11月以来、約95%下落している。