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レバノン、燃料危機でインターネットサービスが停止

2022年1月13日、レバノンの首都ベイルートで、同国の経済危機をめぐって公共交通機関や労働組合がゼネラル・ストライキを行っている際に、道路を封鎖している様子。(AFP)
2022年1月13日、レバノンの首都ベイルートで、同国の経済危機をめぐって公共交通機関や労働組合がゼネラル・ストライキを行っている際に、道路を封鎖している様子。(AFP)
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17 Jan 2022 01:01:18 GMT9
17 Jan 2022 01:01:18 GMT9

ベイルート:レバノン国営プロバイダーによると、同国では日曜日、ディーゼル燃料の不足によりインターネットサービスが停止した。雪だるま式に増加する経済危機の犠牲者リストに、新たな必須サービスが加わった形だ。

国営インターネット・プロバイダーOgeroの責任者であるイマド・クレイディア氏は、日曜日の早朝から、ベイルート西部アル・マズラーにある主要な基地局が稼働を停止しているとツイートした。

アル・マズラー基地局のディーゼル燃料が不足し、ネット接続が停止した。この通信障害は同国の総合保安部の作戦室を含む26,000以上の契約者に影響を与えたと、同氏はアル・ジャディードTVに語った。

日曜日の正午までに、住民がディーゼル燃料を寄付したため同拠点はネット接続を回復することができたという。一方、ベイルート東部の別の地区、アーシュラフィーフの拠点でもディーゼル燃料が不足しており、バッテリーで稼働している状態であった。

「この状況は耐えがたいものです」とクレイディア氏はテレビ局に語った。

1日に数時間しか電力が供給されない状況の中、レバノン人はディーゼル燃料に依存した自家発電機のネットワークに頼って生活している。そのため住民たちは何時間も暗闇で過ごしている。その生活のなかで住民は、経済危機の悪化に伴って定期的に変更される発電機運営会社への高額な請求書を含む、複数のサービスへの対価を支払わなければならないのだ。

レバノンでは、インターネットや通信サービスはすでに高額であった。2019年には、メッセンジャーサービスWhatsAppに課された税金が全国的な抗議行動を引き起こし、政治エリート全体への糾弾に発展している。

また、輸入依存国であるレバノンは医薬品の不足に悩まされており、患者は闇市場や密輸された医薬品、在外レバノン人や市民団体からの寄付に頼っている。

レバノンは史上最悪の金融・経済危機に見舞われており、かつて中流階級だったこの国は貧困に沈んでいる。

この危機は、長年にわたって同国を支配してきた、変わらない政治階級による汚職と不始末に根ざしている。レバノンは外貨準備金が不足しており、燃料や医薬品などの必需品への補助金を徐々に停止している。

しかし、政府は社会的安全策の実施や、国際通貨基金(IMF)と交渉するための復興計画の草案をいまだ作成していない。

経済危機により、国の通貨は対ドルで90%以上の価値を失い、銀行は倒産を恐れ、国民の自国通貨および外貨預金へのアクセスを制限している。その間、インフレが急進し、物価が上昇した。

国有企業をはじめとする通信会社は、燃料を含めた運用コストの上昇に追いつけないと不満を漏らしている。

クレイディア氏はアル・ジャディードTVにて、「仕事をするためのすべての権限と手段を持たない限り、私はこのポストを続けることに同意できません」と語っている。

彼は、ベイルート西部でのサービス中断は、必要なディーゼルを購入するための申請書に期限内の署名を行わなかった公務員の行いによるものだとしている。危機的状況の中、多くの公共部門の労働者がストライキを行い、上昇するインフレと崩壊する通貨に合わせて給与を調整するよう要求している。

クライディエ氏によると、ベイルート以外の地域でもインターネットサービスに影響が出ているとのことである。

AP通信

 

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