
アラブニュース
ジェッダ:火曜にイエメンの正当性回復を目指す連合軍がサナアの武装組織を標的に空爆を行い、フーシ派テロ組織幹部1名を含む約20名が死亡した。
イランが支援するこの武装組織の航空学校で校長を務めていたアブドラ・カシーム・アルジュナイドには、昨年マアリブの裁判所によって、軍事クーデターを起こし、戦争犯罪に関与した罪で本人不在のまま死刑判決が下されていた。
イエメンの首都にあるフーシ派のキャンプや拠点を標的とした火曜の空爆はこの3年ほどで最も激しいものであった。この攻撃に先立って、月曜にUAEの首都アブダビ郊外のオイル貯蔵施設に対するフーシ派によるドローン攻撃で3名が死亡しており、イエメンからサウジアラビアに向かった兵器を搭載したドローン8機がサウジアラビアの防空設備により撃墜されている。
月曜のドローン攻撃の後、UAEは「テロ攻撃と犯罪行為の激化」に対して応戦する権利を留保していると表明し、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とアブダビのシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子は電話会談で「この侵略的行為に対して共に立ち向かう」ことに合意した。
アメリカはフーシ派にこの攻撃の責任を負わせることを約束しており、国連、EU、イギリス、フランス、湾岸諸国およびイスラエルを含む中東地域からも非難が寄せられている。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相はアブダビの皇太子に哀悼の書簡を送付し、「UAEが同様の攻撃から市民を守る手助けをするための安全保障および情報面での支援」を申し出ている。
ベネット首相は以下のように述べている。「ご興味がおありであれば、イスラエルの安全保障機関に対し、UAEの安全保障機関にあらゆる支援を提供するように命じてあります。イスラエルはこの地域で継続する過激派勢力との戦いにおいて貴国と緊密に連携することを約束するとともに、共通の敵を打ち負かすために引き続き協力していきます」
アブダビへの攻撃は、フーシ派がイエメン国内の紛争において一連の軍事的敗北を経験する中で行われた。フーシ派は長期化する戦闘においてUAEが訓練したGiants Brigadesによってシャブワ県から追い出されており、この敗北は、政府の北部における最後の砦であり戦地となっているマアリブ県を奪取しようとするフーシ派の企てに対して大打撃となった。
「イエメンの紛争には終わりが見えません」とオックスフォード大学のペンブルック・カレッジに所属する研究者エリザベス・ケンドル氏は言う。「むしろ、紛争は激化しています」と同氏は述べた。
一方で、「UAEがすぐに無分別なリアクションはとることはないでしょう。同国はイエメンに多額の投資を行っており、特に南部の新たな政治・軍事インフラに力を入れています。挑発に乗って長期的戦略を逸脱することはないでしょう」とも、同氏は述べている。