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FSOセイファーのタンカー事故でスエズ運河が航行不能になる可能性:グリーンピース

イエメンのラスイッサ港沖に停泊するタンカー「FSOセイファー」を写した衛生写真。(AFP)
イエメンのラスイッサ港沖に停泊するタンカー「FSOセイファー」を写した衛生写真。(AFP)
FSOセイファーは流出や爆発事故で周辺地域に災害をもたらすリスクを抱えている。(AFP)
FSOセイファーは流出や爆発事故で周辺地域に災害をもたらすリスクを抱えている。(AFP)
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28 Jan 2022 03:01:32 GMT9
28 Jan 2022 03:01:32 GMT9
  • 数百人に「破局的」な環境的・人道的影響を与える可能性も
  • イランが支援するフーシ派民兵組織は国連によるタンカー確保の立ち入り要請を何度も拒否している

クリストファー・ハミル・スチュワート

ロンドン:環境活動団体グリーンピースは、現在イエメン沖でイランが支援するフーシ派民兵組織の支配下にある浮体式貯蔵積出設備(FSO)タンカー「セイファー」に積載されている石油を抜かなければ、「破局的」な環境的・人道的影響が起きると警告している。

木曜、グリーンピースはアラブニュースが出席した記者会見で、タンカーの石油が流出もしくは爆発することでスエズ運河が塞がれることにもなり、1日あたり100億ドル近くの損失が世界にもたらされると述べた。

同タンカーは2017年に紅海のイエメン沖に放棄された。石油110万バレル(約14万トン)を積載しており、グリーンピースによれば海への流出が「いつ起きても」おかしくはなく、船内の爆発で広がる可能性もあるという。

同タンカーの消防システムも動作不能となっており、もしも船上の火災が原油に引火すれば大量の汚染物質が空中に撒き散らされる可能性がある。

グリーンピース・インターナショナルのセイファー対策チームのリーダーを務めるポール・ホースマン氏は次のように述べた。「タンカーを確保する対策を行わなければ、大規模な石油流出が起きる現実的な危険性があります。もしくは爆発というさらに悪い可能性もあります」

どちらの結果も「深刻かつ長期化するでしょう。最悪のシナリオでは、石油がジブチやエリトリアやサウジアラビアといった近隣諸国へと流れていく可能性があります」と、同氏は付け加えた。

「それによってスエズ運河の航路に混乱が起き、将来の観光にも影響が出る可能性があります。船舶が紅海から出られなくなりスエズ運河が機能しなくなれば、エバー・ギブン号がスエズ運河を塞いだときにどうなったかを我々は皆思い出すことになるでしょう。当時それによりスエズ運河を経由する貿易に1日あたり推定約90億ドルの損失が発生しました」

国連から何度も要請があるにもかかわらず、FSOセイファーを確保するための国際的な立ち入りをフーシ派は何度も拒否している。

同タンカーがもたらすリスクについてグリーンピースが木曜日に発表したレポートによれば、流出によって数百人のイエメン人に壊滅的な人道的影響が出る可能性があり、中でも特に、清潔な水へのアクセスが大幅に制限される可能性があるという。

「イエメンのフダイダ海岸にある淡水化プラント『サリーフ』と『アデン』が影響を受ける可能性があり、さらに燃料供給の中断とも相俟って、最大1,000万人への飲用水の供給が断たれる可能性がある」と、レポートには記載されている。

「石油が流出すればイエメン(だけではなく近隣諸国も)の漁業が完全に閉鎖される可能性がある。これらの漁業は170万人を支えており、汚染を受けた海産物が人間の食物連鎖に入り込まないようにするには、こうした漁業の閉鎖が必要になるだろう(中略)最大の深刻なリスクは、漁業社会の生活手段に対するものである」

中東の最貧国であるイエメンはフーシ派が国際的に承認された政府から首都を奪取したことで始まった長年の紛争による人道危機にも直面している。

流出や爆発が差し迫っていると思われるが、災害を回避するための行動はすぐに実行可能だとグリーンピースは強調する。

ホースマン氏によれば、すぐにでも船体の周囲に障壁を設置することが可能で、差し迫った流出で引き起こされる緊急的な損害をある程度軽減できるだろうと言う。

今でも正確には国際的に承認された政府の所有物である船内に積載されている石油を、別の船舶へ移送する技術は存在していると同氏は付け加えた。問題は、同氏によれば、問題を解決しようという「政治的意志が欠如している」ことであるという。

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