
ラエド・オマリ
アンマン:ヨルダン軍によると、木曜日未明、シリアとの北東部国境にいる部隊が、違法に入国しようとした麻薬密輸業者27人を殺害したという。
過去最多の死者を出した今回の密輸業者との衝突は、ヨルダン軍が、シリアからの違法な麻薬密輸の増加に歯止めをかけるために、交戦規則の変更を発表した後に起きた。
ある治安筋がアラブニュースに語ったところによると、部隊は密輸業者が国境に近づくまで待つのではなく、シリア領内で追跡し殺害するよう命じられたという。
この治安筋は、木曜日の作戦で殺された密輸業者は、厳しい天候を利用しようとしたが、「警戒中の国境警備員に迎え撃たれた」と述べた。
ヨルダン軍は木曜日の声明で、密輸業者は武装集団にに支援されていたとし、この地域の予備的な捜索を行い、大量の麻薬を見つけたと述べた。
「密輸業者は他の武装集団の支援を受けていた」とヨルダン軍は述べ、部隊は未知数の密売人も負傷させたが、他の者はシリア領内に退却したと付け加えた。
ヨルダンは、シリアからの麻薬密輸の急増を報告しており、当局は、国境を越えるトラックに隠されていたり、部隊との衝突後に密輸業者が放棄したりした大量の麻薬を押収している。
1月17日、ヨルダン軍は、360km以上に及ぶシリアとの国境で麻薬密輸業者と衝突し、将校1人が死亡、国境警備隊3人が負傷したと発表した。
ヨルダン軍は先日、2021年にシリアからヨルダンへの潜入・密輸の試みを計361件阻止し、約1550万錠を押収したと発表した。
2020年には、同軍はシリアからの130件以上の潜入・密輸の試みを阻止し、約1億3200万錠のカプタゴン錠と1万5000枚以上のハシシを押収したと発表している。
そして昨年10月、ヨルダン軍は国境上空を飛行した大量の麻薬を積んだドローンを撃墜したと発表した。
専門家は、シリアでレバノンのヒズボラが成長していることと、同グループが米国の制裁を受けて代替資金調達手段として麻薬密売事業を拡大していることにより、シリアが麻薬国家となる可能性があると警告している。
国連の麻薬専門家によると、10年にわたる内戦で荒廃したシリアは、この地域において、ヨルダン、イラク、湾岸諸国、ヨーロッパ向けの麻薬の主要生産地となっているという。
EUが出資する運用分析研究センターの報告書によると、2020年に「シリアからのカプタゴン輸出は少なくとも34億6000万ドルの市場規模に達した」という。