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猛吹雪ヤスミンの影響で、多数のレバノン家庭が暖房のないまま孤立

雪で遊ぶ子供達を携帯電話で写真におさめる女性。2022年1月27日、レバノンのフラ村にて。(ロイター)
雪で遊ぶ子供達を携帯電話で写真におさめる女性。2022年1月27日、レバノンのフラ村にて。(ロイター)
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28 Jan 2022 04:01:01 GMT9
28 Jan 2022 04:01:01 GMT9
  • 一帯の町や村は全て孤立し、アウン大統領が救援活動を監督
  • ユニセフ人道支援計画をサポートするために日本が180万ドルを寄付

ナジャ・フーサリ

ベイルート:猛吹雪ヤスミンによる大混乱が続く中、レバノン中で人々は足止めされ、暖房用燃料の入手困難に苦しんでいる。

ミシェル・アウン大統領の報道室は、影響を受けた地域の人々を支援するよう大統領が関係官庁へ指示し、道路の除雪に取り組んでいる軍部、治安当局、民間機関の作業進捗を追っていると発表した。

26日の夜に激しさを増した嵐は、ベッカー地方の全ての町や村、そして北部地域を孤立させた。同時に、住民たちは停電によって暖房を使うことができなくなった。

海抜500メートルの標高で降り積もった雪のために、東部および西部山脈沿いにある多数の町が孤立したままだ。標高1,100メートル以上の高地にある主要道路や山岳道路のほとんどは、完全に行き来ができない状態である。

雪は、航空便の運航を妨げることはなかったものの、ベイルート国際空港の滑走路も飲み込んだ。そして北部の都市ビブロスとベイルート、南部の都市シドンの砂浜を覆った。

なおシドンでは雷でスクールバスが燃え上がり、炎に対処するため消防士らが駆けつけた。

シェバーの町と、隣接するアルコウブの村を流れるハスバニ川の岸沿いでは、最大1メートルの降雪が記録された。

最も被害の大きかったいくつかの地域で撮影された映像が、ソーシャルメディアで拡散された。

氷点下の気温が道路を氷で覆ったため、一部地域では当局が車両運転を控えるようにと警告を発した。

公共事業省は、当局が状況を明確にして指針をまとめるまで、雪で塞がった道路を迂回して代わりの道路を見つけようとしないよう人々に注意した。

レバノン民間防衛隊長官のレイモンド・カッタール准将は、全国からの複数の呼び出しに対応していると述べた。一方で軍は、必要としている人々への燃料配達と道路の除雪を支援していると発表した。

しかし同時に、住居を暖めるためのガソリンやディーゼル燃料を購入できないと大勢の人々が訴えている。それらの価格が高騰し、供給も不足しているためだ。

暖房用として山岳地域で主に使用されているディーゼル燃料は、20リットル入り缶の価格が17ドルに達し、多くの給油所で売り切れている。

木炭を燃やしてしのぐ人もいれば、毛布に包まることでしか暖を取ることができない恵まれない人々もいる。

「暖房の不足は山岳地域に限ったことではなく、むしろ都市部で、特にベイルートで起こっています」と民間防衛隊員はアラブニュースへ語った。

「貧しい家庭では、子供たちと高齢者が毛布だけを被って身を寄せ合っているのを見つけました」と隊員は述べた。

アミーン・サラーム経済貿易相は、ディーゼル燃料について語った:「ディーゼル燃料を独占しようとする者は、特に山岳部において追求を受けるでしょう。」

一方でワリード・ファイヤード エネルギー相は、「指定料金を遵守しないディーゼル販売業者による違反行為」について述べた。

「最大10%や15%の手数料を取っている活発な闇市場があります」と彼は述べた。「これは犯罪です。犯人は起訴されなければならず、対策を講じるべきです。」

悪天候に最も大きな被害を受けた集団の1つが、シリア難民だ。特にベッカー地方の不毛地帯は酷い有様で、彼らの薄いプラスティック製テントを雪が覆っている。

ユニセフは27日、レバノンにおける青少年、水と衛生プログラム(WASH)を通じて、人道支援のために日本から180万ドルの寄付があったことを発表した。

同機関は、弱い立場にいる3万5,000人の子供たちや家族を支援するためにこの資金が使われることになると述べた。

今後2ヶ月で、高地の気温は-5度にまで落ち込むこともある。その間ユニセフは、暖房の使用が制限されていたり、全く利用できなかったりする災害弱者へ毛布や暖かい衣類を配布し、またベッカー地方での水と衛生サービスの提供を継続する。

駐レバノン大使の大久保武氏は述べた:「レバノンで起こっている人道的危機の重大性を、我々は十分認識しています。真の犠牲者となっているのは、常に弱い立場の子供たちや家族です。」

「厳しい冬に直面する彼らの苦しみを和らげるため、日本はユニセフを通じての介入の強化を決断しました。国際社会は常に側にあるというメッセージが、支援を通して彼らに届くことを祈っています。」

その後、大久保氏はツイートした:「永遠に終わらない冬はなく、レバノン危機も同じ。救いは必ず来る。神がレバノンを守りますように。」

その一方でレバノンのアッバス・ハラビ情報教員相代理は、2022年政府予算案についての閣僚会議が28日までに完了すると発表した。

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