
モハメド・ナジブ
ラマッラー:数十人のパレスチナ人が東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で金曜礼拝を行い、イスラエル当局による立ち退きに直面している同地区の家族への連帯を表明した。
連帯を表明したパレスチナ人らは反対派の抗議活動による挑発を受けた。反対派はイスラエルの旗を掲げ、パレスチナ人らを侮辱した。
立ち退きを求める声は、過激主義のクネセト議員、イタマル・ベン・グヴィル氏が先導してきた。ベン・グヴィル氏は極右政党「ユダヤの力(オツマ・イェフディート)」の党首で、6日前に自らの事務所を同地区に移した。
イスラム最高評議会を率いるエクリマ・サイード・サブリ氏は、18日の説話で次のように述べた。「シェイク・ジャラー地区の人々の揺るぎない姿勢は、神聖なアル・アクサーモスクを保護するものだ」
サブリ氏は住民を家から立ち退かせようとする試みを非難した。また、エルサレムの人々は不法行為と人種差別に直面していると述べた。
イスラエル警察はデリケートな地域の通りに警察官を配備し、入り口と礼拝の場を封鎖した。
近隣一帯に警察の検問所が設置された一方、イスラエル国防軍は、パレスチナ人が呼びかける「怒りの金曜日」に備えて、ヨルダン川西岸地区一帯に配備された部隊を増強した。
パレスチナ市民らは活動家や宗教団体、国家機関の呼びかけに応じ、グリーンラインの内側、エルサレム、ヨルダン川西岸地区から、シェイク・ジャラー地区を支援するためにやってきた。
仲間の活動家らとバスに乗っていたウンム・アル・ファハムの政治活動家、サリーン・ジャバリン氏はアラブニュースに対し、「我々は、イスラエル政府が追求するアパルトヘイト政策のために、民族浄化と住居の立ち退きに直面しているシェイク・ジャラー地区の同胞たちを支援するつもりだ」と話した。
昨年も同様の抗議活動に参加したジャバリン氏は、シェイク・ジャラー地区のパレスチナ人家族を立ち退かせようとする試みに対する抗議を今後も続けるつもりだと付け加えた。
同地区の住居からパレスチナ人家族を立ち退かせ、ユダヤ人入植者を住まわせるという命令の執行日が近づくにつれて緊張が高まっており、暴力的な行動が3月に行われると予想されている。
住民の立ち退きは、パレスチナ人グループだけでなく、アラブ・イスラム諸国、国際機関、欧州連合(EU)の間でも、怒りと懸念を呼んでいる。
EU代表団は2月18日のツイートで、シェイク・ジャラー地区で起きている事態に懸念を表明している。EU代表団は、同地区での「入植者による暴力事件、無責任な挑発」などは、「さらなる緊張を煽るだけで、こうした行為はやめなければならない」と主張した。
この問題により、立ち退きを迫られている人々を守るために宗教や支持政党の異なるエルサレムの人々が団結している。
同地区のパレスチナ人活動家らはアラブニュースの取材に対し、物議を醸す出来事を大きく取り上げたとして、InstagramやFacebookなど一部のソーシャルメディアプラットフォームが彼らのアカウントをブロックしたと話した。
東エルサレムのファタハ指導者、ハテム・アブデル・カデル氏は、「人々による今日の連帯表明は、エルサレムの人々を挑発し、彼らを家から追い出す環境を作ろうとしているクネセトのベン・グヴィル議員とイスラエル警察の挑発に応えるためのものだ」と述べた。
一方、国連は声明で、「立ち退き予定の発表によって最近エルサレム地域の緊張が高まっており、パレスチナ人住民、イスラエル人入植者、イスラエルの治安部隊が関与する衝突が発生している。これらの衝突で物的損害や複数の負傷者が発生し、2月11日以降、8人の子どもを含む逮捕者が出ている」と述べた。
また、国連の声明によると、パレスチナ人家族は催涙スプレーや投石による攻撃を受け、怪我や物的損害を被っているという。
現在、424人の子どもを含む218世帯970人のパレスチナ人が東エルサレムで暮らしており、多くはイスラエル当局による強制的な立ち退きの危機に直面しているシェイク・ジャラー地区とシルワン地区に住んでいる。
国連は声明で、「国連は東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区での強制的な立ち退きと取り壊しを停止するよう繰り返し求めてきた。国際人道法の下では、保護対象となる人々を占領国が強制的に移動させることは、その動機にかかわらず禁じられている」と述べた。
国連はまた、「新たな危機が発生する前に、状況を緩和するための積極的な措置を講じなければならない。国連はすべての政治的、地域的指導者に対し、挑発的な行動や言葉遣いを控えるよう求める。また、イスラエル当局はパレスチナ難民を含む民間人を確実に保護するための措置を講じる必要がある」と述べた。