
チュニス:チュニジアのカイス・サイード大統領は、自身が昨年7月に機能を停止させた議会の「違法」な開催を非難し、オンライン会議を計画した者たちは混乱の種をまいていると述べた。
この北アフリカの国は今、深刻な政治的・経済的危機に苦しんでいる。昨年7月25日、サイード大統領は首相を解任し、議会の機能を停止するという劇的な行動に出た。その後、国は法令による統治に移行した。
大統領の対抗勢力はその動きを、機能不全の民主主義に対する「クーデター」と呼んだ。民主主義政権の誕生のきっかけとなった2011年の革命ではザイン・アル・アービディーン・ベン・アリー氏が失脚し、「アラブの春」運動の火付け役となった。
イスラム系のアンナハダ党の党首でもあるラシッド・ガンヌーシ議長は、7月以来課されている大統領の「例外的措置」について話し合うための全体会議を30日に開催するよう呼びかけている。
28日遅くに大統領府が公開した映像において、大統領は「議会は機能停止しているため『オンライン会議』なるものは違法」と語った。
国家安全保障会議において、大統領は対抗勢力による「クーデターの試み」を非難し、治安組織が「国内動乱」を起こそうとする者に対処すると述べた。
チュニジア政界で多数派を形成している政党の党首であり、サイード大統領の最大のライバルと目されているガンヌーシ氏は28日、議会の各勢力の指導者を集めたオンライン会議において呼びかけを行った。
議員らは4月2日にも全体会議を開催し、疲弊しているチュニジアの経済や公共財政について話し合うことを決めた。
会議の具体的な開催方法については言及がなかったが、サイード氏の大統領就任以降、国会議事堂は治安部隊によって封鎖されている。
サイード大統領は一連の動きを「惨めで無価値なもの」とし、会議を開きたければ「宇宙船」でやればいいと揶揄するような発言を行った。
国内で大きな力を持つ労働組合UGTTも議会開催の動きを非難している。
そうした動きは「国に紛争を呼び込む」とUGTTのサミ・ターリ広報担当は述べている。
AFP