
チュニス:チュニジアの議会選挙は、今後3ヶ月以内には開かれないという。カイス・サイード大統領が3月31日午後、ナジュラ・ブーデン首相との会談でそう述べたと、大統領府がフェイスブックの投稿で伝えた。
サイード大統領は先月29日、議会の解散を命じる大統領令を発した。当国民代表議会は昨年、サイード氏が権力のほぼ全てを握る根拠となっていた大統領令の無効を投票により決議した後、停止されていた。
世論調査によると、仮に選挙が実施された場合に最多の議席数を確保すると見込まれている野党「自由憲法党」はサイード大統領に対し、議会の解散に伴う選挙を早期に行うよう求めた。
同党の党首であり、独裁的な大統領だった故ザイン・アル・アービディーン・ベン・アリー氏の支持者でもあるアビル・ムーシ氏は、憲法に従えばサイード氏に選択の余地はなく、3ヶ月以内に選挙を実施しなければならないと語った。
「彼らがどのような理屈でそうした解釈を取っているのか、私には理解できません」と、サイード大統領は先月31日、憲法89条を引用しつつ述べた。
サイード氏は以前、憲法を改正するための委員会を設置し、7月に改憲を問う国民投票を行い、12月に議会選挙を実施すると述べたことがある。
チュニジアの最大野党・ナフダは議会を解散するという同氏の決定を拒否し、サイード氏が政治システムを改変するために一方的に行う国民投票を全てボイコットすると、同党のラーシド・ガンヌーシー党首が先月31日に伝えた。
サイード大統領の反対者らは、同氏が昨夏に議会を停止し、2014年制定の新憲法の大部分を無視し、政治システムの改造に着手した際、大統領令による統治に移行したことに対し、同氏がクーデターを起こしたとして非難した。
チュニジアの2014年憲法は、サイード氏が昨夏に宣言したような例外的期間においても議会は開会されていなければならないとし、また議会を解散した際には新たな選挙を実施しなければならないと規定しているが、同氏はまだ選挙の実施を宣言していない。