
ナジャ・フーサリ
ベイルート: レバノンとレバノン中央銀行は財政破綻状態にあるとレバノンの副首相が語った。
「レバノン国家は財政破綻している…中央銀行も同様だ」と、サーデ・アル・シャミ副首相は月曜日に述べ、「損失はすでに起きてしまった。我々は国民の損失を軽減しようとしている」と、付け加えた。
損失は、国と中央銀行、その他の貸し手や預金者に帰することになるという。
「銀行に預金をしている人すべての預金の引き出しを許可できない状況で、現実を否定し続けることはできない」
アル・シャミ副首相の発言があったのは、国際通貨基金の代表団が財政再建計画についてレバノン政府と協議している最中だった。
レバノンの経済団体は、国の責任を免除し、預金者と銀行が損失分を支払うというIMFの提案した計画に異議を唱えた。このことも、国の債務をレバノン経済と社会にとっての大きな損失にしている。
IMF調査団代表のエルネスト・ラミレス・リゴ氏との会談後、各団体は、預金者の所有する資金は為替レートの固定化、金利差、国の支出などによって浪費されたと指摘した。
また、「特別な配慮もなく損失を削除するような会計処理を行うという安易な解決」に異論を唱えた。
経済団体は、預金者の権利と銀行システムの継続を維持する必要性も強調した。
世界銀行の中域部長を務めるサロジ・クマール・ジャ氏は、月曜に、「レバノンの経済は悲惨な状況だ。経済低迷の規模は2021年以降から約60%に達している」と語った。
これは、レバノンのナジーブ・ミカティ首相とともに出席した「レバノン改革・回復・復興フレームワーク」第4回会合での発言だった。
ジャ氏はまた、「国家改革プログラムがうまく実行されなければ、より大きな経済の収縮が起こり、経済、社会状況がさらに悪化するだろう」と警告した。
そして、「財政プログラム、債務返済、金融・銀行部門の再構築、社会保護制度の整備を含む改革計画」が緊急に必要だと強調した。
経済危機のなか、5月15日の国会議員選挙に向けた競合する選挙人名簿の登録手続きが月曜深夜に終了した。
77以上の名簿が登録され、政治オブザーバーは迫る投票日の前に国会が資本規制法案を承認するかどうかを待っている。
一方、経済危機の影響は広く実感されている。レバノン・ポンドの価値が下がり続けるなか、在外レバノン人外交官は先月、ドル建ての給与を受け取ることができなかった。
自由職業組合(Free Professions Syndicates)は、ベイルートの国立博物館前で、レバノン大学の教授たちと連帯して集会を行った。
教授陣の一人はアラブニュースに対し、公教育の教員の給与は外国からの援助で180ドルであるにもかかわらず、大学教授の給与は現在たった150ドルだと語った。
同様に、大学の予算もかつての2億4千万ドルから、1千7百万ドル程度に落ち込んだという。
レバノン通貨の暴落と病院部門のドル化による社会保険、健康保険の喪失をめぐる教授及び職員のストライキの結果、同大学の教育活動は過去3週間停止している。
教授陣はまた、政治家が宗派や政治派閥によって大学の学部長任命のプロセスに露骨に干渉してくることに不満を表明した。
もうひとつ、レバノン財政破綻が表れているのは、ベイルート近郊でシティ・ブルー社の労働者のストライキによってゴミが山積みになっている現状だ。
このストライキは、昨年、レバノン銀行が同社への支払いを停止した後、賃金の支払いが遅延したことを受けて開始した。
ストライキ参加者の一人の妻は、労働者が家族を養うことができなくなっているとSNSに投稿している。
ベイルート南部の自治体のいくつかは、路上のゴミを撤去するための助けをヒズボラに求めている。