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イエメンの7年間に渡る内戦の経緯

2015年3月、連合軍が反乱軍に空爆を仕掛け内戦へ。(SPA)
2015年3月、連合軍が反乱軍に空爆を仕掛け内戦へ。(SPA)
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08 Apr 2022 06:04:08 GMT9
08 Apr 2022 06:04:08 GMT9

ドバイ:イエメンは7年以上に渡ってイランが支援する反乱軍と政府軍の内戦から抜け出せずにいる。

国連によると、戦闘による直接的な被害および飢饉や疾病などを合わせて、この内戦におけるこれまでの死者はおよそ38万人に上るという。

2014年9月、イエメン北部の山間部に拠点を構えるフーシ派の反乱軍が、首都サナアの制圧を狙って侵攻を開始。

フーシ派は、2011年の騒乱で退陣に追い込まれたアリ・アブドラ・サレハ元大統領に忠誠を誓う軍部と同盟を組み、紅海に面する港町であり同国のライフラインとして機能しているフダイダを制圧。

2015年2月、アブドラッボ・マンスール・ハーディ大統領が南岸部にある第2の都市アデンに避難。
2015年3月、連合軍(イエメンにおける正当性回復のための連合軍)が反乱軍を標的に空爆を行い、内戦へ。

米国政府、兵站および情報支援を発表。

反乱軍がアデンに侵攻し、ハーディ大統領がサウジアラビアに避難。

連合軍の介入により、親政府軍がアデンを確保。

10月、紅海南部の出入り口であり、世界的にも特に往来が激しく戦略的に重要な水路であるバブ・エル・マンデブ海峡を連合軍が制圧。

2018年6月、連合軍の地上部隊の支援を受けた政府の戦闘員らが、フダイダの奪還を目指して攻勢を開始。フダイダは人道支援の重要なエントリーポイントである。

12月、スウェーデンで交渉が行われ、次いで国連がフダイダでの停戦を発表。しかし反乱軍と親政府軍の兵士による衝突が影を落とす。

反フーシ派陣営が、南部分離派とハーディ政権に忠誠を誓う北部統一派に分断。

2018年1月、分離派がアデンの大統領宮殿を占拠。

2019年8月、分離派が再び統一派の兵士らと衝突。

権限分割協定の交渉が行われる。

反乱軍がドローンやミサイルを使用したサウジアラビアへの攻撃を激化させる。

2019年9月14日、石油大手が所有するアブカイクの石油精製プラントおよびクライス油田に大規模攻撃が行われ、原油市場に影響を及ぼす。
サウジアラビアおよび米国政府はこの攻撃の裏にいるのはイランだと批難したが、イラン側はこれを否定。

2021年2月、米国が連合軍の軍事活動への支援を打ち切り、フーシ派を「テロリスト」のブラックリストから除外。

その後まもなく、石油産出が豊富な地域であり、政府の北部における最後の砦であるマアリブ県の制圧を狙って反乱軍が攻撃を再開。

2022年1月、反乱軍がUAEを標的に定め、最初に紅海にてUAE籍の船舶を拿捕、次いでアブダビの石油施設に対しドローンおよびミサイルでの攻撃を実行。この攻撃で作業員3人が死亡した。

2月、米国政府はアブダビの防衛強化のため、海軍の駆逐艦「コール」および戦闘機の派遣を発表。

3月、反乱軍が新たにサウジアラビアの石油施設へのドローンおよびミサイルによる攻撃を実行。この攻撃により、F1グランプリが開催されるジェッダ・サーキット付近で大規模な火災が発生。攻撃発生時、ドライバーたちはコースを走行中だった。

3月26日、反乱軍が3日間に渡る一方的な停戦を宣言。

3月29日、サウジアラビアが主導する連合軍が独自に停戦を発表。同時にサウジアラビアの首都リヤドでの和平会談開催が決定したが、フーシ派は出席を拒否。

国連の仲介により紛争当事者が停戦に合意。ラマダンが始まる4月2日から発効。全国規模での停戦は2016年以来となった。

さらに連合軍は、フダイダへの燃料輸送、および反乱軍が占拠するサナアからの商用便の運行再開にも合意した。これらは反乱軍側の要求の軸となっていた。両陣営から違反の申し立てが起きているが、停戦は概ね維持されている。

4月5日、ハーディ大統領は新指導評議会へ権限を移譲することをリヤドから発表。
サウジアラビアはこの発表を歓迎し、30億ドルの支援を約束。その一部はUAEが負担する。

AFP

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