
ベイルート:土曜の夜、60人の移民を乗せたボートがレバノン沿岸で転覆したとレバノン赤十字社が発表した。死者の有無は、すぐには明らかになっていない。
赤十字社は、死傷者が出た場合に備え、北部の都市トリポリの港に救急車10台を派遣したと発表した。
ナジーブ・ミカティ首相の事務局によると、ボートはレバノン第2の都市トリポリ近郊の北部沿岸の町カラムーンを出発した直後に転覆したという。
ミカティ首相の事務局は、この事件を受けてレバノン軍と当局が厳戒態勢を敷いていると発表した。
レバノン北部に滞在するAFP通信員によると、軍は港を封鎖しており、許可された救急車だけが忙しく出入りしているという。
一部の乗客の家族が、安否確認のために集まり始めていたが、彼らもまた立ち入りを拒否された。
乗客たちの安否は、すぐには明らかになっていない。
何年もの間、レバノンは難民を受け入れる側の国だったが、2019年10月に経済破綻が始まって以来、数千人もの人々がヨーロッパに向かうボートで国を去っている。
100万人のシリア難民を含む人口600万人の地中海の小国レバノンは、国の近代史上最悪の経済危機に苦しんでいる。経済崩壊により、国民の4分の3以上が貧困状態に陥った。
国連難民機関によれば、2021年1月から11月にかけて少なくとも1570人(うちレバノン人186人)が、レバノンから海路で不法に出国、または出国しようとしたという。
ほとんどの人は、175キロメートル(110マイル)離れたところにあるEU加盟国、キプロスへの到着を望んでいた。
2019年のボートによる難民の数はレバノン人40人を含む270人であり、増加を見せている。
海路でレバノンを出ようとする人の多くはシリア人の難民だが、レバノン人がその列に加わることも多くなっている。
(AFP・AP共同)