エルサレム:イスラエルのナフタリ・ベネット首相は11日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相がアドルフ・ヒトラーに「ユダヤ人の血」が流れていた可能性があると発言したことについて、ロシアのプーチン大統領から謝罪があったと発表した。
この発言について、ユダヤ人国家では非難が強まっていた。
「首相はラブロフ氏の発言に対するプーチン大統領の謝罪を受け入れ、ユダヤ人とホロコーストの記憶に対する立場を明確にしたことに謝意を表明した」とイスラエル首相府は声明を出した。
イスラエルがユダヤ人国家誕生から74周年を迎えたことを記念して行われたベネット首相とプーチン大統領の会談のロシア側による要約では、プーチン大統領が謝罪したことについては触れられていない。
しかし、ホロコーストの「歴史的記憶」について両首脳が議論したと記録されている。
ラブロフ外相は日曜日のイタリアメディアのインタビューにて、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領について、「ゼレンスキー大統領自身がユダヤ人ならば、どのようなナチズムを持つことができるかという議論を前に進める 」と主張した。
ロシア外務省のウェブサイトに掲載された原稿によると、ラブロフ外相はその後、「誤解でなければ、ヒトラーにもユダヤ人の血が流れている」と加えて主張した。
イスラエルのヤイール・ラピード外相は、この発言を「許しがたい暴言であると同時に、恐ろしい歴史誤認である」として非難した。
ベネット首相はラブロフ外相の発言を「嘘」であると非難し、事実上「歴史上最も恐ろしい犯罪をユダヤ人自身のせいにしている」と述べた。
この発言の意図を「明確に示す」ためにロシアの駐イスラエル大使が呼び出された。
ロシアが2月にウクライナに侵攻して以来、イスラエルは絶妙なラインを歩むように努めてきた。ベネット首相は、イスラエルがロシアとウクライナ両方と密接な関係にあることを強調している。
特に、ロシア軍が駐留するシリアでのイスラエル軍による攻撃について、ロシア側に協力を求め続けている。
イスラエルはこれまで、ウクライナからの軍事支援の要請を拒否し、代わりに防弾チョッキや医療従事者用ヘルメットの提供、イスラエルの野戦病院の設置といった支援を行ってきた。
ベネット首相は侵攻開始以来プーチン大統領と会談した数少ない首脳の一人であり、紛争の調停を試みてきた。ベネット首相は、3月初旬にはモスクワを訪問している。
AFP