
アラブニュース
ロンドン: 5月1日に平和的な抗議デモを組織したとして、少なくとも38人の教師たちが拘束された。それを受けてヒューマン・ライツ・ウォッチは、全国各地で拘束されている教師たちを釈放するようイラン当局へ求めている。
Emtedad通信社の報道によれば、少なくとも17人の教師たちが今も拘留されたままである、と同団体は述べた。そこには、イラン教師労働組合(ITTA)で広報を担当するモハンマド・ハビビ氏も含まれる。
イラン文化教師協会の調整評議会は、過去2年間の低賃金への懸念について全国規模の抗議運動を呼びかけていた。教師たちの間で高まる不満に対し、イラン政府は逮捕と尋問によって応じたのだ。
2005年以来、イランでは様々な団体によって多くの組合が結成されている。これは市民的及び政治的権利に関する国際規約第22条、そして経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約第8条に基づく動きだ。イランは両国際規約の署名国である。だがこれら規約は、教師団体を含む組合の上級メンバーに対し、政権が大きな圧力をかけるのを防いではいない。イランの労働法では、政府の承認を得ない限り組合結成の権利が認められていないのだ。
当局は4月、ITTAの著名なメンバー3人を逮捕した。テヘランのラスール・ボダギ氏、東アゼルバイジャン州のラティフ・ルオジカ氏、そしてジャファル・エブラヒミ氏だ。「国家の安全に反する集会と共謀」また「国家に対するプロパガンダ」の罪で、ボダギ氏は懲役5年、エブラヒミ氏は懲役4年の判決を受けた。
ITTA副会長のマフムード・ベヘシュティ・ラングロウディ氏とファールス出身の組合員であるラスール・カールギャル氏も逮捕され、裁判を待っている。さらに、他9人の教師たちがクルディスタン州で書類送検されたことが分かっている。
政府は2016年、抗議デモを組織したイスマエル・アブディITTA事務局長を標的にした。アブディ氏が「国家に対するプロパガンダを広めている」とし、「国家安全保障に反する集会と共謀」の罪で糾弾したのだ。アブディ氏は6年間投獄され、さらに執行猶予10年の判決を受けた。その後2020年に釈放されたが、当局が執行猶予付き判決を発動したために1か月後に逮捕された。イランの人権保護団体ヒューマン・ライツ・アクティビストによれば、アブディ氏は現在、ハンガー・ストライキを実施している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの上級研究員であるタラ・セぺフリー・ファール氏は、次のように述べる:「イラン当局は、イラン国民の経済的および社会的権利の尊重を確実にすべく独立した協会と協力する代わりに、団体交渉権を主張するために組合結成を求める人々の収監を再び決めました」
「平和的な動員と抗議活動を沈黙させようとしても、イランの悲惨な経済的現実が消え失せることはないでしょう」