
ラマッラー:12日、アルジャジーラのジャーナリストだったシリーン・アブアクラ氏がイスラエル軍の襲撃中に射殺された翌日、占有されているヨルダン川西岸地区で行われた追悼式典で何千人ものパレスチナ人が同氏を称えた。
イスラエルとパレスチナは、ジェニン難民キャンプでの衝突中にアルジャジーラのアラビア語ニュースのベテラン記者だったパレスチナ系アメリカ人のアブアクラ氏(51)が殺害されたことについて、責任の押し付け合いをしている。
米国、EU、国連は、アルジャジーラが「冷酷で」意図的な殺害とみなす事件に対し徹底的な調査をするよう求めているが、パレスチナ自治政府はイスラエルとの共同調査の実施を拒否している。
パレスチナ人の間でのアブアクラ氏の名声を示すものとして、マフムード・アッバース大統領のラマッラーの敷地内で国全体を挙げての追悼式とされる式典が開催され、外国の外交官、著名なアラブ系イスラエル人の政治家、またパレスチナ上級指導者が出席した。
パレスチナの旗で覆われた同氏の棺がヨルダン川西岸地区の街を通過するとき、何千人もの人々が通りを埋め尽くした。
その多くは花、花輪、アブアクラ氏の写真を掲げていた。同氏は勇敢さとプロフェッショナリズムで広く称賛され、2000年から2005年にかけて第2次インティファーダ(蜂起)を取材して以来、アラブ系の聴衆によく知られていた。
「この犯罪は罰せられずに終わるべきではない」とアッバース大統領は述べた。
パレスチナ自治政府は、アブアクラ氏の死についてイスラエル側に「一切の責任がある」とし、イスラエルからの共同調査の申し出を「拒否し、はねつけた」と同大統領は強調した。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は18日、アブアクラ氏がパレスチナ側の流れ弾によって殺された「可能性が高い」と述べた。しかし、後にベニー・ガンツ国防相は「同氏を撃ったのはパレスチナ人」か、「我々の側」からの発砲だった可能性があることを認めた。
「アブアクラ氏がどのように殺されたのかは定かではない。現在調査中だ」とガンツ国防相は述べた。
昼前の陽の光の下、パレスチナのクーフィーヤをまとったタリク・アフメド氏(45)は、今回の死を「すべての国民にとっての悲劇」と表現し、自分の悲しみを、伝説のパレスチナ大統領ヤセル・アラファト氏の葬儀で感じた悲しみと比較した。
「アラファト氏が亡くなって以来、この痛みを感じたことはありません」とアフメド氏は語った。
マーチングバンドの太鼓の音に合わせて大統領官邸からアブアクラ氏の棺が運び出されると、群衆はイスラエルとのパレスチナの安全保障協力の停止を要求するスローガンを唱えた。
男たちは、ラマッラーとエルサレムの間にある検問所に向かう救急車と並んで走った。
AFP