
ドバイ :カマラ・ハリス米国副大統領率いる米国の高官代表団は月曜日、アラブ首長国連邦(UAE)に飛び、同連邦の亡き指導者に敬意を表するとともに、新たに就任した大統領と面談を行った。
今回の訪問は、バイデン政権による石油資源の豊富なアブダビへの最高レベルの表敬訪問であり、米国政権がそのパートナーとの不安定な関係を修復しようとする中で、強い支持を示すことを意図したものである。
代表団には、アントニー・ブリンケン米国国務長官、ロイド・オースティン国防長官、ウィリアム・バーンズ米中央情報局(CIA)長官、ジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)などが含まれる。
アラブ首長国連邦(UAE)は、アブダビのシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子殿下を、異母兄の死去に伴い、新大統領に指名した。
欧米やアラブの国々におけるアブダビの多大な影響力を示すように、週末には多くの大統領や首相がこの砂漠の首長国を訪れ、故シェイク・ハリーファを称え、シェイク・ムハンマドを賞賛し、関係を確固たるものにした。フランスのエマニュエル・マクロン大統領と英国のボリス・ジョンソン首相は、ヨーロッパの指導者として初めてUAEの首都に降り立った。
アブダビに向かう前、ハリス副大統領はジョー・バイデン大統領に代わって、長く連携関係にあった故シェイク・ハリーファ殿下の死に哀悼の意を表し、米国とUAEの重要な関係を強化するために渡航すると語っている。
「米国はUAEとの関係やパートナーシップの強さを極めて真剣に受け止めている」とハリス副大統領は記者団に語った。「私たちは、哀悼の意を表するために同国を訪れるが、同時に、両国の関係の強さに対する私たちのコミットメントを明確にするためでもある」
ブリンケン国務長官は、首長国の外務大臣との会談の前に、まずアブダビに降り立った。会談では、この地域における米国の安全保障に対するアラブ首長国連邦(UAE)の長年の不満や、ロシアのウクライナ戦争をめぐって両国間に生じている緊張関係について話し合われることが期待されている。
アラブ首長国連邦(UAE)はロシアの重要な貿易相手国であり、またロシアが重要な構成国であるいわゆるOPEC+協定のメンバーでもある。
就任後、米国のバイデン大統領は、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアにミサイルや無人機による攻撃を仕掛ける、イエメンにおいてイランが支援するフーシ派のテロリスト指定を解除し、イラン政権が世界の列強と結んだ破たん状態の核合意を復活させようとしている。この合意に関しては、湾岸アラブ諸国は、イランとその背後にいる勢力を強化することにつながると恐れている。
さらに、昨年夏にアフガニスタンから突然撤退し、混乱を招いたことや、中東から中国への軸足転換という米国の長期的な外交目標は、湾岸アラブ諸国の懸念に拍車をかけている。
AP