エルサレム:イスラエルのある上級議員は月曜日、エルサレムのアル・アクサモスクで礼拝しようとしたユダヤ人を支持する判決が出たのを受け、イスラエルは「宗教戦争」のリスクを負ったと述べた。民族主義者は、火種であるアル・アクサモスク付近での行進を計画中だ。
パレスチナの諸派は、数十年にわたる紛争の中心地であるエルサレム旧市街におけるイスラエルの動きを非難し、2021年5月、ガザで紛争が起きた時期を前に繰り返し警告を発した。
エルサレム治安判事裁判所は日曜日、アル・アクサモスクの敷地内で礼拝を行った3人のユダヤ人に対する接近禁止命令を取り消した。
ユダヤ人はアル・アクサモスクを2つの古代神殿の名残として崇めているが、イスラム教当局と結んだイスラエルの協定により、礼拝することが禁じられている。アル・アクサモスクはイスラム教で3番目の聖地として神聖視されている。
ナフタリ・ベネット首相のオフィスは、この判決を不服として控訴すると述べた。弱小連立政権を率いるベネット首相は、次の日曜日に旧市街で行われる、毎年恒例のイスラエル国旗を掲げての行進を許可するか否かも決断しなければならない。
外交・防衛委員会のラム・ベンバラク委員長は、この下級裁判所の判決に反発し、ムスリムが住む旧市街を含む、行進予定のルートについて懸念を表明した。
「この敏感な時期には注意が必要だと思います」とベンバラク委員長はKanラジオに語った。「私たち自身の手で宗教戦争を引き起こしたり、中東をたきつけるような挑発行為を行ったりすべきではありません」
「国旗行進」は、1967年の中東戦争でイスラエルが旧市街を占領したことを祝うものだ。イスラエルはエルサレム全域を首都とみなしているが、これは国際的には認められていない。パレスチナ側は、エルサレムに自分たちの首都を設立することを望んでいる。
昨年東エルサレムでは、アル・アクサモスク内を含めて数週間衝突が頻発し、昨年5月にガザで発生した紛争へと発展した。この紛争では、少なくとも250人のパレスチナ人と13人のイスラエル人が死亡した。
数ヶ月間は比較的落ち着いていたが、ここ数週間は再び緊張が高まり、ヨルダン川西岸地区でのイスラエル軍による度重なる襲撃や、過激派によるイスラエル人への攻撃などで、多くの死者が出ている。
また、「聖なる月」ラマダン期間中である先月には、モスク周辺で警察とパレスチナ市民が何度も衝突している。
自身の率いる中道政党が連立政権の一端を担うベンバラク氏の予想では、起こりうる衝突を防ぐため、ベネット首相が行進の最終ルートを決めるのは夜になるという。
「見世物的で他にほとんど価値のないデモのために、これほどの代償を払う価値があるとは考えられません」
イスラム聖戦の高官であるハレド・アル・バトシュ氏はガザ地区で、「国旗行進」を進めることは、パレスチナ人に対する「宣戦布告」であると述べた。
「パレスチナ人は『国旗行進』に抗議し、抵抗勢力はアル・アクサモスクと聖地を守るためにあらゆる手段を尽くすだろう」とバトシュ氏は声明で述べた。