
エファレム・ コッセイフィ
ニューヨーク:国連は2日、イエメンのサヌア空港からエジプトに飛ぶ商用便の再開を歓迎した。しかし、ステファン・ドゥジャリク国連事務総長報道官は、内戦で荒廃したイエメンの人道的状況は依然として悲惨だと警告し、援助供与者に「援助を約束し、約束を現金に換えるよう」要請した。
国連の仲介による2カ月の停戦協定の条項に従い、カイロに飛ぶ第1便は1日朝、出発した。停戦中にサヌアを出発した全ての国際便の中では7便目だった。停戦は6月2日に期限が切れる予定になっている。 国連のハンス・グルンドベルグ・イエメン担当特使は、停戦を延長するよう双方を説得するため、集中的な取り組みを続けている。ドゥジャリク氏は、停戦交渉から感じた予兆は「ポジティブ」だと述べた。
同氏は、これまでに合計2495人のイエメン人がサヌアから飛行機でヨルダンのアンマンやカイロに行ったと付け加えた。エジプト政府の「この重要な成果をもたらした、計り知れないほどの支援」と、イエメン政府の「これを可能にした建設的な役割 」に、同氏は感謝の意を示した。
グルンドベルグ氏は、「医療や教育を受けたり、貿易の機会を得たり、家族を訪ねたりするために外国に行く」機会を得るイエメン人が増えるため、運航再開を歓迎した。
しかし、2カ月の停戦中に航空便が再開し、人道的状況が幾分改善したという良いニュースはあるが、イエメンの全体的な人道的状況は依然として悲惨だ、とドゥジャリク氏は警告した。
「我々は、イエメンの人々がまだ多くの人道的支援を必要としていることを明確に示さなければならない」と同氏は、ニューヨークで開かれた説明会で述べた。
国連の予測では、1900万人以上のイエメン人が今年、飢餓に見舞われ、そのうち16万人以上が完全な飢餓状態に陥る。7年に及ぶ内戦で400万人以上のイエメン人が避難している。
「全部門で、援助を必要とする深刻な状況が続いている」とドゥジャリク氏は述べた。援助機関は今年、イエメン全土の1730万人を支援するために42億8000万ドルの援助を必要としているが、その26%しか集まっていない、と同氏は補足した。
「これはつまり、食糧支援や医療、その他の活動のような中核的プログラムが、拡大すべきときに縮小しているということだ。我々が援助供与者に求めているのは、約束し、約束を現金に換えることだ」と同氏は述べた。
一方、腐食が進んでいる原油タンカー「セイファー」の点検と作業のために1億4400万ドルを集める国連の取り組みは続いている。国連の専門家が同船に乗り込んで点検しようとしているのに対し、フーシ派は非妥協的な態度を取り続けている。
セイファーは、4800万ガロンの原油を積んだ浮体式海洋石油貯蔵積出設備で、7年以上前に内戦が始まって以来、ホデイダ港の近くの紅海に停泊している。その間、ほとんどメンテナンスが行われていないため、同船の状態は悪化し続けている。
ドゥジャリク氏は、同船の安全を確保し、大惨事になり得る原油流出を防ぐのに必要な作業費についてコメントを求められると、「これは中途半端にできる作業ではない」と述べた。
「技術チームと、この作業を安全に行うことのできる専門家を雇う資金が必要だ」
同氏はこう付け加えた。「ニューヨークのアパートをリフォームするようなものだ。長引けば長引くほど、費用が高くなる」
「我々は長い間、この話をしている。数年前なら、もっと安い費用でできたかもしれない。(今は)費用が上がっている。世界中でインフレが起きている」