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パレスチナの農家、口蹄疫の流行に警鐘を鳴らす

口蹄疫の大規模流行がヨルダン川西岸地区を襲った後、ワディ・アルファラア村にある自身の農場を見回るモハメド・バシールさん。(AFP)
口蹄疫の大規模流行がヨルダン川西岸地区を襲った後、ワディ・アルファラア村にある自身の農場を見回るモハメド・バシールさん。(AFP)
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06 Jun 2022 04:06:02 GMT9
06 Jun 2022 04:06:02 GMT9
  • 家畜を守るために不可欠だと証明されているワクチン接種を中止したパレスチナ自治政府に非難

ナブルス:今年初めのヨルダン川西岸地区における口蹄疫の流行により、数千頭の家畜が死に至り、占領下で暮らしていたパレスチナの農家が破産寸前に追い込まれた。

病気の流行がヨルダン川西岸地区全域の家畜に大打撃を与えた後、数百頭の子ヒツジの死体を焼却処分しなくてはならず、経済的損失の痛手だけでは済まなかった、とモハメド・バシールさんは述べた。

バシールさんにとって今回の苦難は、占領下のパレスチナ自治区で農家が直面する特殊な困難を明確に示すものだ。彼らはパレスチナ自治政府の十分なサービスを受けられず、ユダヤ人入植者の脅威に絶えずさらされていると訴える。ナブルス近郊で数千頭の家畜を所有するバシールさんは「私にはパレスチナ自治政府からなんの支援もなく、電話の1本もかかってきません」と述べ、パレスチナ農業省の怠惰だとして不満を表明した。

パレスチナの農家の人々は、風土病から家畜を守るために不可欠だと証明されているワクチン接種プログラムを中止したパレスチナ自治政府を非難した。

また、農家の人々は、広大な放牧地に動物がいない状態のため、ヨルダン川西岸地区で使われていないと主張する土地に違法な入植拠点の設置を繰り返すユダヤ人入植者に土地が奪われることを恐れている。

パレスチナ自治政府は「私達を守るべきです。私たちは土地を守っているのですから」とバシールさんは述べた。「農家が土地を守り … 農家をなくせば、イスラエルがその土地を奪います」

若い動物に致死的な発熱と発疹を引き起こす口蹄疫の新種は、昨年11月にヨルダンで家畜から検出された。

この新種はすぐに、1967年以来イスラエルの占領下にあり、農業に大きく依存するヨルダン川西岸地区全域に広がった。

しかし、パレスチナ自治政府の農業省は2019年以来、定期的なワクチン接種を実施していない。匿名を希望するある省庁職員によると、例年はヨルダン川西岸地区のヤギとヒツジの60~70%がこの病気のワクチン接種を受けるという。

この数字が2020年と2021年には20%まで落ちたと、この職員は述べた。

農業省は新型コロナウイルス感染症のパンデミックが原因だとし、世界のワクチンメーカーが新型コロナウイルスワクチンの需要に応えるために方針転換したことで、口蹄疫ワクチンの調達が困難になったと述べた。

また同省は、パレスチナ自治政府による十分な供給量の調達を妨害しているとしてイスラエルを非難した。

イスラエル国防省のパレスチナ自治区の民政を担当する機関は、この訴えを虚偽だとしている。

「そのようなワクチンの輸入についてパレスチナ自治政府から正式な要請を受けていない」と同機関は声明で述べた。
「それにもかかわらず、衛生上の必要が生じていることを考慮し、イスラエル国は所有していたワクチンをパレスチナ自治政府に移譲した」

パレスチナの省庁は、今年およそ2,000頭の動物が口蹄疫によって死亡したことを公式に確認している。

しかし、農家の人々や農業省職員によると、おそらく死亡した家畜の数は公表されているよりはるかに多いという。
バシールさんは口蹄疫による自身の損失は15万ドルに上ると述べ、イスラエルがワクチンをため込んでいると非難した。

AFP

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