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IAEA、中断している核協議の即時再開をイランに促す

IAEAのラファエル・グロッシ事務局長が、オーストリアのウィーンで行われた記者会見で発言。(資料写真、AFP)
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長が、オーストリアのウィーンで行われた記者会見で発言。(資料写真、AFP)
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13 Jun 2022 08:06:48 GMT9
13 Jun 2022 08:06:48 GMT9
  • 核合意再建のための話し合いは3月から中断している
  • アメリカの制裁が続く中、イランの通貨は最安値を更新した

ワシントン、テヘラン:国際原子力機関(IAEA)は12日、2015年のイラン核合意の再建を“極めて困難に”する可能性がある危機を回避するため、イランに対して協議の即時再開を求めた。

イランは先週、IAEAがイラン政府による協力の欠如を非難した6月8日の西側諸国の決議に反発し、IAEAが核関連の活動を監視できるようにするために設置したカメラの一部撤去を開始した。

IAEA事務局長のラファエル・グロッシ氏は米CNNが12日に放送したインタビューの中で、これまでに計27台の監視カメラが撤去されたと述べた。同氏は撤去について「非常に重大な動きだ」とした。

また、同氏は「近年の経緯が我々に示す通り、国際的な検査機関であるIAEAに対して『帰りなさい』と言い始めることは決して良い結果を生まない。状況は極めて深刻になってしまった」と付言した。

包括的共同行動計画(JCPOA)として知られる2015年のイラン核合意は、イランが核開発を抑制する見返りとして、イランに打撃を与える経済制裁を段階的に解除する内容となっていた。

しかし、2018年、当時のドナルド・トランプ米大統領がこの合意から一方的に離脱してイランに再び制裁を課し、イランは自らの誓約を撤回する動きを加速させた。

核合意再建のための話し合いは今年3月から中断している。

CNNのインタビューでグロッシ氏は、イランの交渉相手に対し、「我々は、今すぐにでも話し合いの席に着き、状況を修復しなければならない。私たちは協力して努力を続けなければならない」と告げたとした。

さらに同氏は、「イランにとって、信用を取り戻し、自国経済を前進させるために心から必要としている信頼を得る唯一の道は、IAEAの検査官に現場への立ち入りを認めることだ」と述べた。

グロッシ氏は、監視カメラがなければ、IAEAは、イランが繰り返し主張してきたように、イランの核開発プログラムが“平和的な”ものであるかどうか、またはイランが核爆弾を開発中なのかどうかについて、断言できなくなると述べた。

また同氏は、イラン側が今後数ヵ月以内に監視カメラを再設置したとしても、それまでのイランによるいかなる行動も隠され続けてしまい、一切の合意が無駄になる可能性があると述べた。

そのため、同氏は、最近のイランの行動により、「合意の再建が遥かに難しくなった」と述べた。

トランプ氏は、同氏が主張する「非常に不備のある合意」からアメリカを離脱させたが、同氏の後継であるジョー・バイデン新大統領は、イランが自らの誓約を尊重する限りにおいて、核合意を再び受容する用意があると表明した。

しかし、交渉関係者は度々挫折の憂き目に遭っており、合意を再建できなくなる可能性がますます高まっている。

国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏の12日の声明によると、同氏は11日のイランのホセイン・アミール・アブドッラーヒヤーン外相との電話会談において、外交交渉により核合意を再建するよう求めた。

その一方で、アメリカのイランへの制裁がなお有効となっている中、イランの通貨は12日に過去最安値となった。

イランと世界の大国との間で結んだ核合意からアメリカが離脱したことにより、イランの石油と金融部門への制裁が再開されたことが主な要因となり、イラン経済は現在、悪戦苦闘している。

テヘラン中心部では、最近のイランの事業税引き上げにより多くの店が閉店したのを受け、数十軒の店舗のオーナーが、悪化する経済状況に抗議してデモ行進を行った。

現場には多数の警察官が居合わせていたが、介入することはなかった。

( AFP, AP)

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