
ナジャ・フーサリ
ベイルート:自治体は最近、ベイルートのラフィク・ハリーリ国際空港に通じる道路に何年も掲げられていたヒズボラのスローガン、画像、看板を撤去した。
これらは、夏休みにレバノンに戻ってくる観光客や海外居住者を迎えるために、観光省による歓迎の看板に取り替えられた。
ヒズボラの指導者や死亡した党員の写真、党の黄色い旗が、空港道路の両側と中央分離帯のスペースを長い間占拠してきた。
空港道路は、シーア派二大政党であるヒズボラとアマル運動のオフィスがある地区とその警備区域の境界線になっている。
掲げられた写真の大きさは、道路の両側にある家や小さな商店の大きさをほとんど超えていた。
写真は党のレバノン人メンバーに限らず、カセム・ソレイマニ氏、アヤトラ・ホメイニ師、アリ・ハメネイ師、アブ・マフディ・アル・ムハンディス氏といったイランやイラクの軍事、宗教、政治指導者も含まれており、この道路を横断する多くの人々が、ここがレバノンの一部なのかイランなのか混乱してしまうほどであった。
ヒズボラに反対する政治家たちは、「レバノン人を挑発する行為である」と表現して、しばしば写真の撤去を要求していた。
彼らは、レバノンにやってくる外交官や政治家が通る道に大きく写真を掲げる同党へ妥協し、その権威に立ち向かうことができない国家を非難した。
これらプロパガンダ看板の撤去は、ヒズボラと同盟関係にある自由愛国運動に所属するワリード・ナサール臨時観光相の呼びかけに応えたものだ。
今週初め、ナサール氏はヒズボラとアマル運動のメディア行政に対し、今後3カ月間に看板やシンボルの数を減らし、レバノンの観光名所の写真に置き換えるよう呼びかけた。
同省は、停滞するレバノン経済を刺激する試みとして、海外居住者や旅行者を対象とした観光促進キャンペーンを開始し、今夏レバノンを訪れるよう促した。キャンペーンのスローガンは、「You are Welcome」と「Do you miss Lebanon?」である。
ナサール氏が写真やスローガンを撤去するよう呼びかけたところ、ソーシャルメディア上で批判が広まった。
活動家たちは、ナサール氏が画像に表された人物、すなわちレバノンとは何の関係もないイラン人のソレイマニとイラク人のアル=ムハンディスに対して「敬意を払っている」と述べたことに不快感を示した。
活動家は、ナサール氏の言葉について、「6月1日に行ったように、他の当事者には法律を厳しく適用する一方で、ヒズボラとその同盟国には法律を適用できない弱い国家を反映している」と述べた。
しかし、ヒズボラの空港道路上の写真撤去は、世論の批判が高まる中での一種の自己反省なのか、それとも一時的な対応なのだろうか。
「イランによるレバノン占領を終結させる国民協議会」の代表であるアーメド・ファットファット博士はアラブニュースに対し、「今回起きたことはナサール大臣とヒズボラの間で事前に調整された、一時的な措置に過ぎない」との見方を示した。
2006年に内相を務めたファットファット氏は、次のように述べた。「ヒズボラは、党がもたらした経済状況に人々がうんざりしていること、そして議会選挙の結果が党に不安定な状態を招いてことを知っているため、この要求に同意したのだろう」
もしヒズボラが支持を失っていると感じていなければ、看板の撤去に応じることはなく、代わりに2006年夏にイスラエルの侵略を誘発し、レバノンの観光客や海外居住者の存在がピークに達していた時にレバノンを破壊したのと同じことを繰り返えしただけだろう、とファットファット氏は付け加えた。
空港道路を訪れたナサール氏は、観光キャンペーンの実施において、来週中に150以上の広告看板でレバノン全土をカバーすることを約束した。
また、政府が民間部門から得た指標によると、夏のシーズンは観光の面で非常に有望であると述べた。
レバノンはこの夏、フライト、ホテル、レストランの予約に基づく観光が、レバノン経済の復活に必要な消費をもたらしてくれるものと期待している。