
ラバト(モロッコ): モロッコ当局によると、金曜日に北アフリカにあるスペインの飛び地の都市メリリャに国境を越えて入ろうと殺到した人々が将棋倒しになり、5人の移民が死亡、多数の移民と警察官に負傷者が出た。
約130人の移民が金曜日、モロッコとメリリャの国境を越えた。先月スペインとモロッコが外交関係を修復して以来、このような国境侵害は初めてである。
メリリャのスペイン政府報道官は、およそ2千人がメリリャへ国境を越えて侵入しようとしたと語る。
モロッコ内務省の声明によれば、この事故は人々が鉄のフェンスを乗り越えようとする際に起きたもので、5人の移民が死亡し、移民76人とモロッコの警備担当の警察官140人が負傷した。
越境に成功した人々はメリリャの移民センターに行き、当局による審査を受けた。
報道官によると、何人かの移民や警察官は軽傷だが、政府の方針により、氏名を明かすことはできない。
貧困と暴力を逃れるために、人々は集団でメリリャともう一つの北アフリカ海岸にあるスペインの都市セウタへ越境を試みることがある。これらの都市はヨーロッパ大陸への移住の中継地とされる。
通常は、スペインの要請を受けてモロッコ当局が移民の越境を防いでいる。
3月の初めには、2日にわたり3千5百人以上の人々がメリリャを囲む高さ6メートルのフェンスを登ろうとし、スペイン当局によると、1千人近くが越境に成功している。
金曜日に起きた事故は、3月に両国の関係が改善を見てから初めての越境の試みだった。両国は1年にわたり、西サハラの領有問題をめぐって対立していた。西サハラはかつてスペイン領だったが、1976年にモロッコにより併合されている。
モロッコは昨年、セウタ周辺での警備体制を弱め、結果として何千もの移民がスペインに流入した。これはスペインが西サハラの独立派指導者がスペインの病院で新型コロナウイルス感染症の治療を受けることを認めたことへの報復措置だと見られている。
両国間の対立は、一部の活動家が完全な独立を求めていた西サハラに、モロッコがより大きな自治権を認める意向を示し、これをスペインが支持した後、今年初めには緩和の兆しを見せていた。
AP