
アラブニュース
ジェッダ:チュニジアの治安当局は、政治危機の高まりが懸念される中、カイス・サイード大統領の暗殺計画を摘発したと、金曜日に発表した。
暗殺計画は、以前テロ容疑で収監され2021年に釈放された攻撃者が、チュニス中心部のシナゴーグを警備していた警察官2人を刺そうとしたことから明らかになった。
「信頼できる情報と現在進行中の調査によると、共和国大統領と大統領府が深刻な脅威の標的になっている」と内務省報道官のファディラ・ケリフィ氏は述べた。
「大統領の安全を脅かす、国内外のグループによる計画がある」とし、「これは国家の安全を損ない、混乱を引き起こす」と述べた。
チュニスでは、ナイフで武装した男が市中心部の大シナゴーグの警備に当たっていた警察を襲い、警官2人を負傷させたが、制圧された。同省は、調査が進行中であることを明らかにした。
1956年のフランスからの独立以前、チュニジアには10万人以上のユダヤ人がいたが、移民によりその数は約1000人にまで減少している。
2011年に独裁者ジン・エル・アビディン ベン・アリを倒したいわゆる「アラブの春」の革命以降、チュニジアではジハード主義の攻撃が多発し、数十人が死亡している。
今回の攻撃は、サイード氏が2021年7月に完全な政権を担ってからほぼ1年、同国が陥っている深い経済・政治危機の中で発生した。大統領の反対派は、サイード氏が(大統領が定める)政令で統治を行い、来月国民投票にかける予定の新憲法を準備したことから、これをクーデターだと非難している
サイード氏への非難はここ数カ月で拡大し、ほぼすべての主要政党と強力な労働組合が彼の計画に反対し、街頭集会を開いている。
しかし、大統領を批判する人々は、大統領の動きが2011年の革命で勝ち取った権利と自由に対する懸念を引き起こしていると言う一方で、当局による反対派に対する広範な取り締まりは行われていない。
サイード氏によれば、彼の動きは合法的であり、チュニジアを長年の政治的麻痺、経済的停滞、そしてイスラム主義グループの悪意ある影響から救うために必要な行動であったという。
左翼の著名な政治家であり、サイード氏に反対するアーメド・ネジブ・チェビ氏は、大統領殺害計画の主張に疑問を投げかけた。「これは、新たな逮捕を正当化し、彼のライバルに復讐することが目的だ」とチェビ氏は言う。「大統領は政治的に孤立しており、国民の同情を買おうとしているのだ」
サイード氏が政権を取る前にチュニジアの政治を支配していたイスラム主義政党「アンナハダ」は、この摘発について「やらせ」であると見なした。