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イラク議員がバグダードからの米国部隊の撤退を要請し、トランプは制裁をちらつかせて牽制

イラクの国会議員が、米国部隊のイラク駐留に関する投票を行うために集まった。(資料提供/ロイター)
イラクの国会議員が、米国部隊のイラク駐留に関する投票を行うために集まった。(資料提供/ロイター)
米軍はより大きな多国籍軍の一環として、ISとの戦いを支援するために2014年にイラク政府に招かれ、駐留している。(ファイル/AFP通信)
米軍はより大きな多国籍軍の一環として、ISとの戦いを支援するために2014年にイラク政府に招かれ、駐留している。(ファイル/AFP通信)
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06 Jan 2020 02:01:12 GMT9
06 Jan 2020 02:01:12 GMT9

バグダード---- ドナルド・トランプ米国大統領は、日曜日、イラク議会が自国からの米国部隊の撤退を要請した後に、バグダードに対する制裁をちらつかせて牽制した。さらに大統領は、米国部隊が撤退する場合は、バグダードの空軍基地の費用をバグダードがワシントンに対して支払うべきだと主張した。

トランプは、「我々はバグダードに途方もなく高額な空軍基地を持っている。建設には何十億ドルもかかっており、私の就任前のことだ。彼らが支払わない限りは撤退はしない」とエアフォースワンでリポーターに話した。

トランプは、イラクが米国軍の撤退を要求し、それが友好的に行われなかった場合は、「我々はかつてないほどの制裁を科すだろう。イランの制裁さえ、どこか生ぬるく見えるようなものだ」と語った。

日曜日のイラク議会は、米国がバグダードでイランの最高司令官を殺害したことにさらなる圧力をかけ、何千もの米国部隊を同国から撤退させることを政府に促した。

米国大使館のあるバグダードの米国人居住区と米国部隊が駐留する首都の北の空軍基地にミサイルが着弾したことで、米国軍事施設もまた、新たな軍事的緊迫状態に直面していた。

米国の高精度無人攻撃機によるバグダード国際空港への金曜日の空爆で、米国との関係は悪化した。同空爆では、イランの最高司令官、ガーセム・ソレイマーニーとイラクの軍人、アブ=マフディ・アル=ムハンディスが殺害された。

アーディル・アブドゥルマフディ首相代行が臨時国会に出席し、この空爆を「政治的暗殺」と酷評した一方、イラク外務省は米国大使を召喚した。

彼は168名の議員と米国部隊の撤退について議論した。その人数はイラク国会の329議席においては充分に定足数に達している。

5,200名強の米国兵士がイラク基地全体に駐留し、ダーイシュの復活を防ぐ地元の部隊を支援している。

彼らはダーイシュとの戦闘を助けるため、2014年にイラク政府によって招かれ、より大きな国際的な連合軍の一部として展開している。

モハメド・ハルブーシ議長はダーイシュの別の呼称を用いて「議会の票決で、ISとの戦いの支援を目的とした国際連合軍の要請を取り消すように、イラク政府に求めた」と発表した。

内閣はどのような決断も承認しなければならないだろうが、総理大臣は以前に、米国軍の撤退への支持を示していた。

彼は「我々は大きな2つの選択肢に直面している」と国会議員に告げた---- 外国の部隊を撤退させるように直ちに票決するか、議会の手続きを経て彼らの権限を再検討するか。

イランと近しいハシド・アル=シャービ民兵隊との結びつきのある強硬派議員は、すべての外国部隊を直ちに撤退させることを要求し、より厳しい決断を要求した。

議員のうち、クルド人は皆無だったが、ほとんどのスンニ派は、米国部隊の駐留を擁護していたため、審議を拒否した。これはイランに対する相殺行為と見られている。

彼らはハシドとつながりのある議員に、審議を拒否すればイラクに対する「裏切り者」とみなされるだろうと言われ、脅迫を受けた。

元米国当局者で大西洋評議会評議員のトム・ウォリックによれば、ソレイマーニーとハシド内親イラン派分子は長らく米国の撤退を求めていた。

「米国部隊が引き揚げることになれば、ソレイマーニーは死後の勝利を手にすると言える」とウォリックはAFPに話した。

審議が進行する中、米国主導の連合軍は、自分たちの基地が致命的なロケット攻撃を受けたため、イラク作戦を保留していたと発表した。

「これにより、連携相手と訓練を行い、ダーイシュに対する彼らの作戦を支援する能力が制限されてきた。さらに我々は、このような理由により、引き続き検討しつつ、これらの活動を休止した」と連合軍は話した。

イラクが日曜日の午後までに米国部隊のもとを去ることができるよう、強硬派のハシド分子から攻撃の警告があったが、その警告後にロケットの一斉攻撃を受ける恐れがあった。

日曜日の遅くに、2発のロケットがバグダードのグリーンゾーン内の米国大使館近くに落ち、3発目は同区域の外に落ちた。

既に、強まる緊迫状態によって北大西洋条約機構はイラクでの訓練活動を直ちに中止している。米国国防省関係者がAFPに語ったところによれば、米国主導の連合軍は作戦を「制限」するだろう。

イラク外務省は、米国のイランに対する空爆を非難するため、マシュー・トゥエラー米国大使を召還したと話した。

「空爆はイラクの主権を露骨に侵害するものだった」、「国際的な連合軍の合意済みのミッションに矛盾している」と外務省は声明で主張した。

外務省は、ソレイマーニーの死を「暗殺」として糾弾するように要請し、空爆について国連安全保障理事会に苦情を申し立てたとも話した。

しかし、ドナルド・トランプは日曜の午後、イランが米国人や米国の標的を攻撃したなら、米国はすぐに驚くほどの反撃をするだろうとツイートし、強気なままだった。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1213919480574812160?s=20

米国は金曜日の未明にバグダードの国際空港を攻撃し、イラン革命防衛隊の5名、イラクのハシド・アル=シャービの5名を殺害した。

土曜日にイラクの様々な街に侵攻した後、イラン革命防衛隊とムハンディス派の残りの者、それにもう1人のハシドの民兵がイランに逃げた。

イラクの残りの者を区別して適切に埋葬するため、DNA検査が必要だったとハシドの民兵は述べた。

イラン革命防衛隊の外国作戦部隊であるコッズ部隊の司令官として、ソレイマーニーは、地域の権力闘争へのイランの広範囲にわたる介入を監督した。

イラクでは、10月以降、街に出ていた抗議活動家が、腐敗し、無能であると自分たちが見なしている政府にてこ入れしているとしてソレイマーニーを非難していた。
抗議活動は日曜日に依然として首都とその南を動揺させていた。多くの人々が潜在的な地域紛争を非難することに内容を切り替え、声を上げていた。

トランプはソレイマーニーが同地域の米国職員を「緊急に」攻撃することを計画していたと主張し、さらなる攻撃で土曜日にイランを脅迫した。

イランの最高指導者アリ・ハメネイ師はソレイマーニーの死に関して「厳しい復讐」を約束した。イランの膨大な数の群衆が日曜日にソレイマーニーの死を悼んだ。

世界の強国が先を争って緊迫状態を緩和しようとする中、米国とイランの両国のコメントは、事態が制御不可能で、問題が拡大することへの恐怖を煽ってきた。

英国がイランに対し、冷静さを保って「正しいことをする」よう促した一方で、欧州連合はイラン外務省モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ大臣をブリュッセルに招いた。

AFP/ロイター

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