
アラブニュース
ベイルート:ガーセム・ソレイマニの暗殺に関するヒズボラのハサン・ナスルッラーフ議長の日曜日の発言に対して、レバノンでは様々な反応が起きた。
あるメディア活動家は匿名で、ナスルッラーフの発言は、結局は「アメリカに対する宣戦布告」ということだと語った。「レバノンの一党の指導者がこのような戦争をどうやったら布告できるだろうか?」
元国民議会議員のファレス・サイード氏は次のように語った:「ナスルッラーフの発言には、軍に呼び掛けようと、高い声で語ったことと、ソレイマニが暗殺されてもイランの威厳が存在しているという発言を除けば、新しい内容は何もなかった」と語った。
「このような結果は、これから起こることに変化を与えるものではない」と彼は話した。「イランを封鎖するというアメリカの決断がある」。
レバノンの国内問題に与える発言の影響力に関しては、彼はこう語った:「暗殺の前も後も、レバノンはヒズボラが支配しており、経済的、財政的に苦しめられているこの危機からレバノンを救うことは不可能だ」。
しかし、ある退職者のワファ・シャリフは、ナスルッラーフの発言を聴いて何が起こるのかを理解したと話し、「レバノンでは戦争は起こらないものの、イラクでは(戦争が)起こっているのだと、彼は私に断言してくれた。レバノンにはアメリカの基地はない。復讐がこれ以上激しくならないということなら安心だが、彼らがどこまで上手くやれるのか、またこの措置の余波がどんなものなのか、私にはわからない」と語った。
ツイッターの活動家のハニア・キナオは次のように語った:「イランに戻れ。レバノンのことなどどうでもいいと思っているのはわかっている」。
発言の中で、ナスルッラーフはイランのコッズ部隊の司令官ソレイマニの暗殺を、「この地域における2つの段階を線引きする転機。(これは)イランやイラクの歴史だけでなく、地域全体にとっての新たな段階なのだ」とした。
「トランプの政策は、イランを交渉のテーブルに着かせることを目的としているが、彼の任期はイランが彼に歩み寄る前に終わることになり、彼に電話がかかってくることはないだろう」と、彼は述べた。
ナスルッラーフは、国民動員軍のアブー・マフディ・アル・ムハンディス副司令官が「2ヶ月ほど前、ベイルート南部の郊外で私と一緒になり、殉教者になれるよう祈ってほしいと私に求めた」と語った。
「ソレイマニとアブー・マフディ・アル・ムハンディスの部隊に対する爆撃で、全員、身元が判別できないほどバラバラになった」と彼は語った。
「ソレイマニとアブー・マフディ・アル・ムハンディスの葬儀でイラク国民は団結し、アメリカ兵をイラク国内に留まらせはしないだろう」と彼は述べた。「抵抗戦士は協力しなければならない。この地域は別の段階に入って行くからだ。抵抗戦士はこの事態にどう対処するか、あるいはどう行動するのか、決めなければならない。イランは何も求めないだろう。慰めと追悼だけで満足するなど許されない。この過程はイランに対するものではなく、我々の全ての枢軸に対するものであり、我々は皆、ただ報復のために協力しなければならない」。
「これは、この地域におけるアメリカ軍の存在感、軍事基地、アメリカの軍艦、我々の土地にいる全てのアメリカ人の役人や兵士を意味する。アメリカ軍は殺害を実行した軍であり、その代償を払うことになるだろう」。
ナスルッラーフの発言には、軍に呼び掛けようと、高い声で語ったことと、ソレイマニが暗殺されてもイランの威厳が存在しているという発言を除けば、新しい内容は何もなかった。
レバノンの元国民議会議員のファレス・サイード
彼はこう語った:「公正な報復とは、我々の地域全土にいるアメリカ人を意味するものではない。危害を加えてはいけないアメリカの民間人もいる。彼らに危害を加えることは、トランプの政策を利することになる」。
彼はこう付け加えた:「かつてアメリカ人を我々の地域から追い払おうとした殉教志願者らはまだいるし、以前よりも増えている。アメリカ人の棺がアメリカに戻れば、トランプと彼の政権はこの地域を失ったことに気付き、選挙に負けることになり、ソレイマニ殺害に対する反応はアメリカ軍を我が地域全土から排除することになり、目的は達成されることになるだろう」。
ナスルッラーフの発言に伴い、レバノン軍がベイルート南部郊外の、バールベックからダール・アル・バイダールまでの区間と、シドンからベイルートの区間の道路に配備された。
ソレイマニの写真はベイルート空港道路や南部郊外の掲示板に掲げられた。ヒズボラの支持者らも占領されているレバノンのシェバー・ファームズとの国境沿いに位置するバラカート・アル・ナッカールのゲートでソレイマニの写真を掲げ、次のように書いた:「お前らの血で、我々はここを越えるのだ」。
[caption id="attachment_7162" align="aligncenter" width="672"]ベイルート空港道路上の写真は、SNSの活動家の批判を受けた。ラニア・アル・ハティーブはこの光景の写真を公開し、こうコメントした:「これらの写真はイランではなく、レバノンの空港道路上のものだ」。
別の活動家はこう語った:「空港道路上に写真を掲げるのは全くもって、絶対に受け入れられない。彼を愛する人たちは彼の写真を自分たちの家に掲げるべきだ。空港や空港道路はレバノン人だけのためにある。我々は悲しみを尊重し、我々レバノン人としてのアイデンティティを尊重する」。