• レバノンの3年にわたる経済危機は、同国の学校に大混乱を引き起こしている
• 小学校教師のダイアン・アキル氏、状況が「耐え難い」ものになったため、ドバイで仕事を始めた

ベイルート：誤った教科を教え、減らされた賃金でしのぎ、チョークさえも自分で買わなければない。意気消沈したレバノン人教師は海外へ向かう。その多くは、UAEでの高給の仕事に誘われている。

レバノンの3年にわたる経済危機は、国内の学校に大混乱をもたらした。教師のストライキによって多くの学校が数カ月間閉鎖され、代わりに子どもを働きに出す家庭が増え、退学率が急増している。

小学校教師のダイアン・アキル氏（26歳）は、状況が「耐え難い」ものになったため、ドバイで仕事を始めた。それでも。サイダ市での仕事を辞める決断は辛かったという。

「ナショナリズムの重要性や、国のために払うべき犠牲について生徒に教えていました。今は新しい国で、新しい生徒に教えるためにその国の国歌を覚えています。まるで偽善者のような気がします」と彼女は言った。

レバノン経済は2019年から急激に崩壊し始め、レバノン・ポンドはその価値の90％以上を失い、インフレを煽り、貯蓄を一掃し、同国の670万人の約4分の3を追い込んでいる。

この危機により、医師、看護師、学者、起業家など、レバノン国内の熟練した専門家数万人が、海外での仕事を求めて国外へと移住し、同国の長期的な復興の見通しを脅かす頭脳流出が起きている。

現地のコンサルティング会社インフォメーション・インターナショナルの調査によると、昨年、レバノンから出国した人の数は前年比3倍以上の約8万人に上ったという。

同国の学校は、今後何年にもわたって国外脱出の影響を受ける可能性がある。しかし、今のところ、その影響はその職業にさらなる災いをもたらしている。

深刻な代用教員不足のため、教員はしばしば大人数の生徒を指導したり、臨時授業を担当したりしなければならず、自宅においても授業の準備をせざるを得ないという。

首都ベイルートの私立学校のある教師は、人員不足を補うために、歴史の授業担当から、英語と理科の授業担当に変更されたと語った。

アッバース・アルハラビ臨時教育相は、人手不足を認めている。

「現在、教師の供給には多くの課題がある。現実的な解決策を講じない限り、この分野には専門的な人材の深刻な不足が残るだろう」と彼は述べ、人材派遣会社がUAEの高収入の仕事を埋めるため、この国の教師をターゲットにしていることを付け加えた。

多くの教師が通勤のためのガソリン代さえ払えないと不満を漏らしている中で、政府は繰り返しこの職業の賃上げを否定してきた。もしそれを行えば、すべての公共部門における労働者の賃金を上げざるを得なくなるからだ。

レバノンの教育部門は、中東地域のリーダーとして珍重されており、世界経済フォーラムの「世界競争力レポート」では世界第10位にランクされたこともある。

しかし、レバノンにおける学齢期の子どもたち200万人のうち、少なくとも70万人が前学年の、少なくとも一部を休んでおり、児童労働の割合は一部の地域で45％に達していると人道的教育団体は推定している。

国連の調査によると、15歳から24歳の若者のうち、教育機関への就学率は2020〜2021年の60％から、今年度は43％に低下した。

ロイター