エルビル:トルコによるものとイラク側が主張する砲撃によりイラク人市民9人が死亡した事件で緊張が高まっている中、イラク北部のトルコ軍基地を攻撃しようとしていた爆弾を積んだドローン2機が22日に撃墜された、と現地自治体の首長が明らかにした。
トルコは過去25年間、クルド人武装組織に対する作戦の一環として、イラク北部のクルド人自治区内数十カ所に軍事拠点を置いてきた。
「今朝、バメルニ村のトルコ軍基地を攻撃した爆弾を積んだ無人機2機が撃墜されました。死傷者はありませんでした」と同村のミラン・イスマイル村長はAFPの取材に対して語った。
このドローン攻撃について、犯行声明等はすぐには出されなかったが、イラク内の親イラン派武装勢力の間で人気のあるイラン寄りのテレグラムチャンネルは、「イラクの抵抗」を示す行動を賞賛した。
今回のドローン撃墜は、さる20日にクルディスタンの保養地に対する砲撃で、女性や子供を含む9人の民間人が死亡し、23人が負傷した事件の直後に発生した。
犠牲者の多くは、夏の暑さから逃れるためにイラク南部や中部から北部の山岳地帯に来た観光客だった。
イラクのムスタファ・アルカデミ首相は、この砲撃事件でトルコを非難し、イラク政府には「報復する権利」があると警告している。
一方トルコは砲撃への責任を否定し、代わりに非合法のクルディスタン労働者党(PKK)の反政府組織を非難した。
多数の死傷者を出したこの悲劇は、イラクの大多数の政治家から非難され、国民を憤らせ、怒りによるデモを引き起こした。
AFP