
ナジャ・フーサリ
ベイルート: 1ヶ月前に始まったレバノンの公共部門職員によるストライキは、彼らの不満に答える政府の努力の中で適切に対処されなければ市民的不服従に発展すると、政治観測筋は危惧する。
教育・高等教育省内の行政ユニットの責任者らは、自分たちも月曜日までにストライキに参加すると発表した。
省庁の職員らは、ストライキへの参加は、給与が通勤費を賄えなくなったことと、数ヶ月前に承認された通勤手当と社会扶助の支給の遅れが理由だとしている。
また、銀行で給与を引き出そうとしたら子供の食費を賄い薬代・入院費を払うのがやっとの金額だったという「屈辱」にも抗議すると言っている。
しかし、財務省職員もストライキに入っている中、公共部門職員は自分たちの示威行為が7月の給与に影響することを恐れている。
レバノンの総合保安機関の局長であるアッバス・イブラヒム少将は、政治的大惨事がレバノンを荒廃させており、国は「急速に崩壊している」と警告する。
同少将は「軍・治安機関だけは残っているが、この国はさらなる崩壊に直面する恐れがある」と言う。
給与は生活の基本的必要を賄うのに十分でないが、レバノンとその構成要素の状況が改善する兆候はないと、同少将は付け加える。
「大統領の座をめぐる競争に誰もが関わっているようだが、現在の政治的行き詰まりのせいで政府の発足は先送りになっているようだ」
公的機関は閉鎖しており国民は窒息しつつあると同少将は言う。「いつ降参するべきか分からない。この国は流砂の上を彷徨っているようだ」
国の通貨価値は下落しているが、不幸にもレバノンは地域や国際社会の議論のテーブルに乗せられていない(難民・避難民の受け入れ先としての検討を除けば)と同少将は指摘する。
同少将の警告は、公共部門職員がもうすぐ良い知らせを聞けるかもしれないという兆候が出てきている中でなされたものだ。
ナジーブ・ミカティ暫定首相とユセフ・ハリル財務相は、ストライキ中の職員全員が7月の給与を予定通りに受け取れるように、財務省職員に対して職務を再開するよう説得すべく努力している。
政府内の職員組合の代表であるハッサン・ウェフベ氏は次のように述べた。「当初の合意では、追加の給与、以前に承認された200万レバノンポンド(1326.7ドル)相当の社会扶助に加え、毎就業日9万5000レバノンポンドの交通手当、20~30万レバノンポンド程度の報奨金が提供されるとしている」
レバノンのミシェル・アウン大統領は、全ての公共部門職員および退職者に一時的な社会扶助を提供し、この扶助を賄うために財務省に国庫からの前払いを与える法令に署名した。
しかし、ストライキを率いる委員会はこの提案に満足しなかった。今回の示威行為は、裁判官の給与を1ドル1507レバノンポンド(2019年にレバノンの経済崩壊が始まる前の公式レート)ではなく1ドル8000レバノンポンドの為替レートに基づいて支払うという決定がなされたことが発端だったのだ。
ヘクター・ハジャール社会問題暫定相は、全関係者、特に職員の利益にかなう解決策が月曜日の会合で提案される見込みだと発表した。
週あたり2就業日を割り当てるだけでは公共部門は適切に機能せず、新たな収益を国庫に割り当てる可能性を検討する必要があると同大臣は述べた。
レバノン・米国調整委員会の代表団は、レバノンは憲法・主権・経済・社会のレベルにおいて前例のない危機に直面していると警告した。
また、多くの部門が深刻な影響を受け大規模な崩壊に直面していると指摘した。
この見解は、同代表団のレバノン訪問の最後に発表されたものだ。訪問では、主要な政府高官、政党、活動家との会談が行われた。
国際社会およびアラブ世界におけるレバノンの友好国は、同国のアイデンティティーを救いその復興を助ける意欲を示していると、同委員会は述べた。
「このことはレバノンが見捨てられていない証であり、米国内の関係各所はレバノン、特にレバノン軍に支援が確実に提供されるように取り計らっている。憲法は尊重される必要があり、レバノンの主権に関する国際決議は実行されなければならない」
「これは歴史的瞬間であり、勇気を欠く政治的合意や立場のせいで無駄にされるべきではない。この機会を無駄にすれば、レバノンが完全に崩壊してしまう恐れがある」