
パラク、イラク:放置されたサンダルやひっくり返った椅子は今週、死傷者が出た砲撃がイラクのクルド山脈にあるこの平穏な休息地を襲った際の混乱の証である。
9人を死亡させ23人を負傷させた水曜日の砲撃について、トルコは自国の軍の関与を否定している。
しかしバグダッドを拠点とする政府も、国境付近の町パラクの昼食場所のプレスツアーを企画したクルドの地域政府も、砲撃の責任はトルコ軍にあるとしている。
トルコは40年近くクルディスタン労働者党(PKK)と交戦をしており、これまでに何度も民間人が巻きこまれている。PKKは、度々イラク北部の国境を越えて進出を行ってきた。
トルコとの国境から5キロメートル以内にある山村が、休暇中の行楽客や灼熱のイラク平原を訪れる日帰り客に人気である理由は、容易に理解できる。
村には渓流が流れ、暑さを逃れることができる日陰を与えてくれる木々が生い茂る谷間に水をたたえている。
今やその渓流は、砲撃で混乱に陥った川沿いのレストランのひっくり返ったテーブルや椅子でいっぱいとなっている。
「どうしていいかわかりませんでした」と店主のアリ・オスマン氏は語る。「子供を置いて逃げる家族がいるほど、ひどい有様でした」
オスマン氏は、いままで商売は上手くいっていたが、それもいつまで持つかわからないと述べた。
「(イラク平原から)アラブ人の旅行客が数多く訪れます」と伝統的なクルド人の衣装を身にまとった52歳のオスマン氏は言う。
「一日でバス100台分の日帰り客が訪れますし、自家用車で来る人もいます」
「私の村には35軒ほどの家があります。これ以上ここに住むことはできません。この村を去るつもりです」
死傷者が出た水曜日の砲撃への国民的な反発は、イラクの中心部や南部の都市で反トルコデモを引き起こした。
AFP