
ベイルート: 米国の制裁下にあり、ウクライナが言うところのウクライナから略奪した大麦を運んでいるシリアの貨物船がレバノンに停泊していると、在レバノンのウクライナ大使館は28日、主張した。
ベイルートのウクライナ大使館によると、貨物船ラオディケア号はレバノン第2の都市トリポリの港に入港した。同大使館によると、その船は小麦粉5000トンと大麦5000トンを運んでいた。
米財務省は2015年、シリアのバッシャール・アサド大統領の政権と関係があるとしてラオディケア号に制裁を課した。
ロシアが2月末にウクライナに侵攻して以来、ウクライナの領土から穀物や鉄鋼を略奪している、とウクライナは非難している。ベイルートのウクライナ大使館は、ウクライナが言うところの大麦の略奪の経緯について詳しく説明したり、発言したりしていない。
船舶交通や海上の船舶の位置を監視しているMarine Trafficも28日、トリポリに停泊している船舶を確認した。ラオディケア号は当初、シリアのタルトゥース港に向かっており、今週初めに同港に到着する予定だった。
レバノンへとルートを変更した理由や、そこで荷下ろしをしているかどうかは不明だ。
ウクライナ大使館の声明によると、ウクライナのイホル・オスタシュ大使は28日、レバノンのミシェル・アウン大統領と会談し、ロシアから盗品を購入すれば「二国間関係に悪影響をもたらす」と警告した。ウクライナは以前、レバノンがロシア・ウクライナ戦争に関してロシアを非難したことを称賛していた。
ウクライナはレバノンに小麦を輸出すると約束している。レバノンは現在、深刻な食糧安全保障危機、経済危機に陥っている。
レバノンのアミン・サラム暫定経済相はこの船の詳細を明らかにしなかった。トリポリ港の総支配人であるアフマド・タメル氏は当初、この船が到着したことを知らなかったと述べ、さらなるコメントを求める要求に応じなかった。
AP