
モハメッド・ナジーブ
ラマッラー:イスラエルの裁判所が、ヨルダン川西岸地区のラマッラー東部にあるパレスチナのベドウィン集落のための学校の取り壊しを決定したことをめぐり、パレスチナ人たちが怒りをあらわにしている。この学校は、今年初め、EUの資金援助を受けて建てられたものである。
1月中旬に建設されたこの学校は、ベドウィン集落の1年生から6年生までの17人の生徒たちが通っている。
来年にはさらに多くの生徒が通学する予定であった。彼らが利用できる他の学校は、集落から11km離れた場所にしかない。
イスラエル当局の民政スタッフがこの地域に突然乗り込み、取り壊し実施の意向を発表したことを受け、壁・植民地抵抗委員会はパレスチナの法的機関と協力し、エルサレムにあるイスラエルの裁判所から、学校の取り壊しを10日間停止する決定を得ることに成功した。
8月12日には、EUの代表者、大使、領事らが同校を訪れ、生徒たちとの連帯を示すとともに、裁判所の決定に抗議した。
EUの駐パレスチナ代表であるスヴェン・クーン・フォン・ブルグスドルフ氏は、次のように述べた。「我々が占領者の決定に抗議するために会うのは、今回の訪問が初めてのことではない。占領国であるイスラエルは、国際法および関連する国際条約に基づく教育の権利を尊重し、パレスチナの子どもたちが容易に学校へ通う権利を保証しなければならない」
同代表は、学校を取り壊す決定を「筋が通らない」と評し、すべての国際的義務に明らかに違反しており、結局、立ち退きを強制することになると説明した。
パレスチナの政治家ムスタファ・アル・バルグーシ氏はアラブニュースに対し、イスラエルはEUを軽視していると話した。
バルグーシ氏によれば、学校の取り壊しをめぐる状況は、ウクライナとパレスチナで起きていることに対するEUのダブルスタンダードな姿勢を明らかにしているという。さらに、イスラエルは力の言語しか理解せず、人権やパレスチナ人の権利を尊重していないと付け加えた。
一方、パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、イスラエルの裁判所の決定を拒絶することを確認した。
「アイン・サミーヤ校を取り壊すというイスラエルの占領者の決定は、パレスチナ人のアイデンティティに関する戦争の枠組み内、および、家庭教育に対する必死の試みの枠組み内で行われている」と、同首相は月曜の閣議で述べた。
「アイン・サミーヤ校の建設完了の停止と、東エルサレムのパレスチナ人学校にイスラエルのカリキュラムを強要しようとする試みは、同じコインの表裏である」
パレスチナの教育省も、イスラエルの裁判所の決定を非難した。
同省の報道官サディク・アル・カドゥール氏は、この決定はパレスチナ人を土地から追い出すことが目的であるという。
イスラエルがアイン・サミーヤ校を標的にしたことは、パレスチナ国民としてのアイデンティティと、あらゆる地域の教育に対する攻撃の一部であると、カドゥール氏は述べた。
同省は、友人やパートナーたち、組織、国際機関と協力し、取り壊しを阻止するための仕組みを検討しているという。
一方、イスラエル当局は、エルサレムのパレスチナ人私立学校6校に対し、イスラエル版ではなくパレスチナ版のカリキュラムを教えているとして、免許を取り消した。
「我々はすべての地域で、パレスチナのカリキュラムと、子どもたちの教育を受ける権利を守る」と、シュタイエ首相は述べている。