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空爆で父親が死亡し貧窮するガザの家族

2022年8月16日、最近のイスラエル・ガザ間の戦闘に巻き込まれて死亡したシャディ・カイル氏の妻が、ガザ市内の自宅で子どもたちに食事を与えている。(ロイター)
2022年8月16日、最近のイスラエル・ガザ間の戦闘に巻き込まれて死亡したシャディ・カイル氏の妻が、ガザ市内の自宅で子どもたちに食事を与えている。(ロイター)
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22 Aug 2022 04:08:22 GMT9
22 Aug 2022 04:08:22 GMT9
  • 大半の労働者は銀行口座を持っておらず、その給与を帳簿に記録すれば、財政難のパレスチナ当局には新たな収入源に、パレスチナの銀行には棚ぼたのサービス料収入になる

ガザ:ガザ地区で廃品回収をしていたシャディ・カイル氏は今月、イスラエルの空爆で死亡し、母、妻、2人の子どもが貧窮している。

「プラスチックを集めて売り、そのお金でこの子のおむつとミルクを手に入れる、と言っていました。しかし、生きて戻ってくることはありませんでした」と、ガザ市の3部屋からなる住居で妻のアスマさんが語った。「棺桶に入れられて帰ってきました」

8月5日に開始された週末の空爆とロケット砲攻撃で、少なくとも49人が死亡した。狭い土地に230万人ほどの人々が封鎖下で暮らしている不安定なガザ地区で、1年以上見られなかった規模のひどい暴力だった。

シャディ・カイル氏が1日約3ドルを稼ぐために回収する金属スクラップやプラスチックの運搬に使用していた馬も、そばで死んでいた。

「他の男性たちと同じように、彼(シャディさん)も私に素敵な家を用意したいと願っていました。こういう風にしたいなどといつも語っていましたが、いかんせん収入がなかったのです」

話は変わるが、21日、イスラエル国内で仕事をする何万人ものパレスチナ人が、給与の支給方法を現金ではなく銀行振込にするという決定に抗議し、1日ストライキを行った。

この新支払い方法は、効率や安全性の高い給与支給方法を模索するパレスチナとイスラエルの両当局が合意したものだ。だが、労働者は、秘匿された手数料や新税で賃金の受取額が減る事態を恐れている。

毎日約20万人のパレスチナ人が仕事を求めてイスラエル国内やユダヤ人入植地に向かい、平均でパレスチナの国家機関や企業に雇用されている人の2倍以上の収入を得ている。

大半の労働者は銀行口座を持っておらず、その給与を帳簿に記録すれば、財政難のパレスチナ当局には新たな収入源に、パレスチナの銀行には棚ぼたのサービス料収入になる。

多くの労働者によると、今回の取り決めでは、給与は週払いで、送金1回につき1ドルの銀行手数料が発生する。

パレスチナのナスリ・アブ・ジェイシュ労働大臣は、新たな取り決めは労働者の権利保護が目的で、新税を課す計画はないと述べた。

イスラエルに占領されたヨルダン川西岸地区に限定的な自治権を持つパレスチナ当局は、ヨルダン川西岸地区とガザ地区で、公共部門のほぼ15万人の雇用に責任を負っている。2021年予算は3億3000万ドルで、海外からの援助への依存度が高い。

Reuters

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