
エルサレム:イスラエルは22日、レバノンのヒズボラに対し、ガス資源への攻撃は戦争の火種になると警告した。同武装集団は、紛争中の海上油田を開発すればイスラエルの手を切り落とすと脅していた。
ベニー・ガンツ国防相の警告は、地中海東部の隣国が海上国境をめぐる紛争を解決するために長期間の交渉を行っている最中に発せられたものである。
6月にイスラエルがチャーターした生産船がカリシュ海底ガス田の近くに到着し、レバノンがそこは係争海域にあると主張したことから緊張が高まった。
イスラエルは7月2日、ヒズボラがカリシュに向けて発射した無人偵察機3機を撃墜したと発表した。
ヒズボラ指導者のハッサン・ナスラッラー氏は8月9日に、「この富に少しでも近づこうとする手があればそれは切り落とされるだろう」と述べた。
ヒズボラがイスラエルのガス田を攻撃した場合、戦争に発展する可能性があるかと問われ、ガンツ国防相は次のように答えた。「そうだ、それは反応を引き起こす可能性がある」
「数日間の戦闘と軍事作戦につながる。我々はこのシナリオに強く備えているが、それを望んではいない」と、同大臣はイスラエルの103FMラジオ局に語った。
ガンツ国防相は、ガス田からの採掘は「生産する準備ができた時点で」開始すると述べ、カリシュを巡るイスラエルの主張を再度表明した。
「イスラエルは自国の資産を守る用意があると同時に、アメリカの仲介でレバノン政府とシドンの鉱床について取引をする用意もある」と、レバノンでカナとして知られる別のガス田について言及している。
「将来的には、2つのガスプラットフォームが存在することになると思う。1つはこちら側、もう1つはあちら側。そして、それまでに再び対立が起きないことを望んでいる」
イスラエルとレバノンは2006年に壊滅的な紛争を起こしたのが最後で、今も公式には戦争状態にあり、陸上国境は国連平和維持軍がパトロールしている。
海上国境に関する交渉は2020年に再開され、6月に復活するまで話し合いは失速していた。
当初は、2011年に国連に登録されたレバノンの主張に従って、860平方キロメートル(332平方マイル)の紛争地域が協議の焦点となった。
ベイルートはその後、イスラエルが国連に承認された排他的経済水域内にあるとしているカリシュ油田の一部を含むエリアを1430平方キロメートルさらに拡大することを要求した。
AFP