モハンメド・ナジブ
ラマッラ:イスラエル占領軍は29日、軍用地を確保するため、ヨルダン川西岸地域南部の都市ヘブロンの東にあるワディ・サイール地区で、オリーブの木約100本を根こそぎにしたと、地域役職者が述べた。
「これはイスラエルによる占領という犯罪に加えられた新たな犯罪であり、我々はパレスチナの地へのこの新たな侵攻を非難する」とサイールのムーサ・アル・ファルーク町長は述べた。
パレスチナ筋によると、ベツレヘム東部に新たな軍検問所を作る11ドゥナムの用地を接収するために陸軍が木々を根こそぎにした。1ドゥナムは1000平方メートル。
接収された土地を所有していたパレスチナ人の家族が樹木を別の場所に植え替えることも軍は許可しなかったと、アル・ファルーク町長は語った。
この動きの狙いはイスラエル陸軍基地の前にあるワディ・サイール検問所を恒久的施設にすることだったと、パレスチナ自治政府の「壁と入植地への抵抗」機関の理事の一人ユーニス・アラール氏はアラブニュースに語った。
新たな検問所により何千人ものパレスチナ市民と車両がこの地区を通過するのを妨げることになるとも語った。
アラール氏によると、ヨルダン川西岸地域には800カ所のイスラエル軍検問所があり、うち102カ所はヘブロン旧市街の中の1.5平方キロメートル足らずの地域に集中している。
イスラエル軍は検問所設置を口実にパレスチナの地を接収して木々を根こそぎにし、イスラエルの裁判所は軍支持に偏っていると、アラール氏は語った。
「問題がイスラエルの安全保障に関係する限り、軍検問所やイスラエル陸軍基地を撤去するどんな裁判も勝ち目はなく、司法であれ誰であれ要求に応じる者はいない」とアラール氏は語った。
ヨルダン川西岸地域のイスラエル軍検問所は、この地域に住む3百万人のパレスチナ人の移動に影響する。
「いま起きていることはドナルド・トランプ元米国大統領が発表した世紀の取引を実施したものであり、現在これはイスラエルがヨルダン川西岸地域を孤立した島のような分割地に変えることで実施されている」とアラール氏は語った。
イスラエルはパレスチナ人の「土地と権利と血」を使ってシオニスト政党が国政選挙に勝てるよう援助していると、パレスチナの政治家ムスタファ・バルグーティ氏はアラブニュースに語った。