
メネクセ・トキャイ
アンカラ:5月14日にトルコで大統領・議会選挙が実施されるとレジェプ・タイップ・エルドアン大統領が10日、発表した。決選投票が必要になった場合は、5月28日に2回目の大統領選挙が行われる。
今回の選挙は、ここ数年のトルコの選挙で最も重要だと考えられている。エルドアン氏の20年にわたる統治への挑戦に際し、野党連合が初めて団結しているからだ。
野党の大統領候補であるケマル・クルチダルオール氏は、トルコ議会第2党の中道左派、共和人民党(CHP)の党首だ。同氏は、野党連合を形成する6党の支持を得ている。
今回の選挙戦は、トルコの現在進行中の経済危機と、壊滅的な被害をもたらした地震への対応に不手際があったという申し立てを軸に展開すると予想されている。先月の地震では11県が被害を受け、4万6000人以上が死亡し、数十万人が家を失った。
米シンクタンク「ドイツ・マーシャル基金」アンカラ事務所のオズグル・ウンルヒサルシクリ所長は、今回の選挙を延期する動きはエルドアン氏の戦略に反するため、延期されるとうわさされているが、選挙は5月14日に行われるとみられていると述べた。
「第一に、トルコ経済は現在、危機的状況にある。今の金融政策を放棄しない限り、通貨危機が起こるのは時間の問題だ」と同氏はアラブニュースに話した。「そうした危機はおそらく5月までは回避できるかもしれないが、時間の経過とともにリスクは高まるだろう」
「第二に、エルドアン氏は最低賃金と公務員給与を大幅に引き上げたが、こうした賃上げは時間とともに損なわれる。第三に、先日の地震は長期的に、経済にさらなる問題をもたらすだろう」
したがって、時は与党側に味方しておらず、これらのマイナス要因が作用し始める前に選挙を行うのがエルドアン氏にとって得策だ、とウンルヒサルシクリ氏は述べた。
親クルド政党、国民民主主義党(HDP)は、与党連合と野党連合のどちらにも加わっていないため、今回の選挙ではキングメーカーになる可能性がある。HDPはクルチダオール氏と交渉する意思を表明している。
トルコの世論調査会社Yoneylemが最近行った調査は、HDPがクルチダオール氏を支持すれば、大統領選の1回目の投票で野党が勝利する可能性が高くなることを示している。
マドリード・カルロス3世大学の教授で、戦略国際問題研究所・欧州・ロシア・ユーラシア・プログラムの上級研究員であるイルケ・トイグル氏は、今回の選挙に関するエルドアン氏の計画は、2つの主な要素に基づいていると考えている。野党がまとまるのを阻止すること、そして経済のさらなる悪化を想定していることだ。
「有権者はすでに高インフレと生活費の危機で大打撃を受けており、状況は悪化の一途をたどっている」と同氏はアラブニュースに話した。
選挙戦は野党にとっても容易ではない、とトイグル氏は言う。
「野党は、数日間にわたる存亡を賭けたドラマの末に候補者を発表したところだ」と同氏は述べた。「メディアも国家のリソースも、野党に不利になるように使われている。数人に対する未解決の訴訟があり、いつ手段として利用されてもおかしくない」
「これは非常に不公平な競争だ。震災後の状況は、有権者登録や投票に関する多くの問題を引き起こしている」