
サイード・アル・バタチ
アル・ムッカラー:テロリスト集団であるフーシ派の指導者は、「イランの支援を受けているフーシ派は、紅海で錆びによる浸食が進み、大惨事を引き起こす恐れのある石油タンカー「セイファー号」の荷下ろしを国連に許可する」と発表した。
長年消極的な対応がとられ、約束が果たされないままとなっていたセイファー号だが、フーシ派の最高革命委員会トップであるムハンマド・アリ・アル・フーシ氏は土曜、「国連と協定を結び、国際機関によるタンカーの荷下ろしを許可する」と述べた。
同氏は、ツイッターに「セイファー号に関する協定を国連と結んだ」と投稿した。
ニューヨークでは、アントニオ・グテーレス事務総長の副報道官であるファルハン・ハック氏がアラブニュースに対し、「国連のイエメン駐在官であるデビッド・グレスリー氏は、現在サヌアで、協定に関する話し合いをフーシ派とおこなっている」と述べた。「セイファー号に関する話し合いは続いている。デビッド・グレスリー氏は現在サヌアで、現地当局との議論をおこなっている。」
このタンカーは、40年前に建造された浮体設備であり、イエメン西部のホデイダ市の沖合に100万バレル強の原油を積んだまま停泊している。2015年初め、フーシ派がイエメン西海岸の支配を強めた際に国際技術者が国外退避して以来、定期点検を受けないまま放置されてきた。
タンカーの一部は錆で浸食され、船内への浸水が進んでいる。地元や国際機関は以前より、このタンカーが爆発したり油漏れが発生したりすれば、紅海で大きな環境破壊が起きると警告していた。
1月には、グリーンピースMENAの広報責任者であるアフマド・エル・ドロウビ氏が、「有毒物質である原油を積んだまま放置されているこのタンカーは、紅海の地域社会と環境にとって大きな脅威となっている」と述べた。
イエメン政府当局は、「フーシ派は、イエメン政府と国際社会から譲歩を引き出すための切り札として、このタンカーを利用している」と考えている。現地報道によると、フーシ派は朽ち果てたタンカーを新造船と交換し、更に積み荷の売却代金を渡すよう要求している。
国際的に承認されているイエメン政府当局は、売却代金をフーシ派に支配されている地域の政府給与支払いに充てるよう要求している。同当局は、「フーシ派が売却代金を得たら、国内全域での破壊的軍事作戦に充てるだろう」と警告している。
一方、南東部のハドラマウト県では土曜、正体不明の武装集団が国際医療組織「国境なき医師団」の職員2名を拉致したと、同医師団およびメディアが発表した。
アラブニュースが受け取った短いEメールによると、同医師団はイエメンのスタッフ数名と連絡が取れなくなったことを認めたが、詳細は明らかにしていないという。
同医師団は、「仲間の安全が懸念されるため、現時点ではこれ以上の情報は伝えられない」と述べた。
地元メディアは、武装集団はサユーン市とAl-Aberの間にあるKhoushem Al-Ainという砂漠地帯で職員を待ち伏せした」と報じた。
アデンの日刊紙「アルアイヤム」が日曜に報じたところによると、武装集団は軍服を着て偽の検問所を設置し、イエメン人と外国人の職員たちに車から離れるよう命じた。
同紙は「土曜の午前6時近く、職員たちは目隠しされ、ピックアップトラックで砂漠のどこかに連れて行かれた」と伝え、「イエメン人は6時間後に解放された」と付け加えた。
アラブニュースは地元政府関係者にコメントを求めたが、返答はなかった。
先月には、アルカイダではないかと疑われる過激派が、アビヤン県で国連職員を5人拉致した。職員たちは今現在も、同県ムデア地区の山岳地帯に拘束されている。
地元の部族長や要人たちが職員を解放するよう武装勢力を説得したが、武装勢力はアデンにいる受刑者との交換を要求したため、交渉は決裂した。武装勢力はまた、身代金数十万ドルも要求している。
地元当局関係者は先月、アラブニュースに対し、「武装勢力は、軍や治安当局が人質解放のために武力を行使すれば人質を処刑すると脅している」と語った。