
ジュバ: 南スーダン内戦で敵対していた旧反政府軍を含む5万人以上の兵士が30日、延び延びになっていた「卒業式」で同国の陸軍に統合されることになった。
サルバ・キール大統領と、ライバルのリエック・マチャル副大統領に各々忠誠を誓う2軍の統合は、4万人近くが死亡した5年にわたる残酷な紛争に終止符を打った2018年の和平合意で最重要の条件だった。
2011年にスーダンから独立して以来、この世界で最も新しい国家は相次ぐ危機や、洪水・飢餓・民族対立との戦い、政変に揺れ続けてきた。
首都ジュバで厳戒態勢のなか行われた式典は、和平合意の実施遅れで国際社会に高まる不満が背景にあり、暴力事件の激発で脆弱な成果も逆戻りしてしまう危険があった。
今月初めに、暫定政府の運営を任された南スーダン指導者は、合意した期限を越えて2年間権力の座に留まることを発表し、国際的な懸念を呼び起こした。
移行期間は今年12月の選挙で終わるはずだったが、政府は今のところ憲法制定など合意の主要条項を実現できていない。
和平合意によると、軍の卒業式は2019年に実施されるはずだった。
だが2人の指導者は統合軍司令部の上級ポストの分担をめぐって膠着状態を続け、今年4月にようやく合意に署名した。
キール大統領とマチャル副大統領の政党と南スーダン野党同盟から選ばれた男女5万2千人以上が30日に、軍や警察など国家安全保障の責を負う組織へと公式に合流する手続きに参加する。
政府は、ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領、スーダンのクーデター首謀者アブドゥルファッターフ・アル・ブルハン将軍など隣国代表を式典に招待した。
何万人もの旧反政府軍人が政府職員に加わると、既に公務員給与が何ヶ月も未納になるほど苦しい財政はさらなる困難を抱えることになる。
だがそれでも、この動きを楽観視する人々もいて、ある旧反政府軍人は警察軍に加わることに興奮を覚えると語った。
「国民に奉仕するのを楽しみにしています。長い闘争の末ついに平和が訪れたと国民に言いたいだけです」とジョンと名乗る政府軍人は語った。
国連安全保障理事会が課した長年の武器禁輸のため、「新卒者」の多くは式典で銃ではなく杖を持つ。
南スーダン指導者が暴力を煽り政治的自由を弾圧し公共の財源を略奪したことを、国連は何度も批判してきた。
米国は先月、南スーダン政府が改革目標を達成できなかったことから、「持続的進歩が欠如」しているとして当地に駐在する2つの和平監視団から脱退した。
AFP