
アラブニュース
ジェッダ:ウクライナ軍は13日、ウクライナ北東部ハリコフ地方でのロシア軍に対する反撃の際、イラン製の「自爆」ドローンを撃墜したと述べた。
ロシア軍が国境に向かって後退する中、容易に識別可能なデルタ翼型ドローンのシャヘド136(Shahed-136)が、クピエンスクの近くで墜落した。同機は、設計通りに衝撃で爆発することができなかった。
先にイランは、ウクライナ紛争で使用するために、爆弾を搭載した無人機数百機をロシアに送る計画であるとした7月の米国情報機関による報告を否定した。しかし、イスラム革命防衛隊は今週、世界有数の大国を武装させる役割を担っていることを誇示していた。
イランは、約2,000kmの射程を持つドローン「シャヘド」の複数のバージョンを保有している。同機は、イエメンではイランが支援するフーシ派民兵が使用し、サウジアラビアの石油インフラを攻撃し、2021年にはオマーン沖で石油タンカーの船員2人を殺害したほか、アラビア湾で米軍の空母の上空を飛行したこともある。
専門家は、このような爆弾を搭載したドローンを “徘徊型兵器”と呼ぶ。予め離陸前にプログラムされた目的地に飛んでいき、目標物上空、あるいは衝突時に爆発させる仕組みだ。
イランは、同国政府による核プログラムを抑制する核合意が2018年に崩壊したことで、米国の厳しい経済制裁に直面し、ロシアとの距離を縮めてきている。この合意を復活させるための交渉は暗礁に乗り上げている。
ウクライナとイランも、2020年に革命防衛隊がウクライナの旅客機を撃墜し、乗員176名全員が死亡した事件以後、緊迫した関係にある。
ウクライナの戦場では13日、ウクライナ軍が北東部でロシア軍をさらに後退させ、全領土の解放を目指すと宣言した。
ロシアが10日にハリコフの拠点を放棄し、紛争初期以来最悪の敗北を喫して以来、勢いを増すウクライナ軍は、劇的な反転攻勢により数十の町を奪還している。
ウクライナ国防省のハンナ・マリャル次官は、この地域で15万人がロシアの支配から解放されたと述べた。「ハリコフ地方とその先、つまりロシア連邦に占領された全領土を解放することが目的だ」と同次官は語った。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、西側諸国は同国への兵器システムの納入を早める必要があると訴え、ウクライナの同盟国に対して「ロシアのテロを打ち負かすために協力を強化する」よう促した。
欧米諸国がウクライナに何十億ドル相当もの武器を提供してきており、それがロシアによる領土拡大を抑えるのに役立ったとウクライナ政府は述べている。ロシア軍は現在、ウクライナの南部、東部地域の国土の約5分の1を支配しているが、ウクライナ軍が両地域で攻勢に出ている。