ドバイ: イラン当局は、警察に拘束されていた女性の死が火を付けた抗議デモが行われていたときに治安部隊が16歳の少女を殺害したという報道を否定し、少女は屋上から飛び降りて自殺したと主張している。イランメディアが7日、報じた。
ソーシャルメディアの報道や人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、サリナ・エスマイルザデフさんは治安部隊に警棒で頭を殴られて殺されたという。その事件は、マフサ・アミニさん(22)が風紀警察に拘束され死亡した事件をきっかけとした抗議デモが行われていたときに起きたという。
当局は今週、ニカ・シャカラミさん(17)も同じように屋上から落ちて死んだと説明した。活動家らは、彼女はテヘランで、アミニさんの死に抗議していたときに殺されたと主張している。
人権団体によると、全国的な抗議デモに対する弾圧で150人以上が死亡、数百人が負傷し、数千人が逮捕されたという。今回の抗議デモは、聖職者で構成されるイラン指導部に対する挑戦としては、ここ数年で最大のものになっている。
女性たちはヘッドスカーフを振ったり燃やしたりして、際立った役割を果たしている。女子高生も参加している。
エスマイルザデフさんが死亡したアルボルズ州の首席判事は、5階建てのビルの屋上から飛び降りて自殺を図ったことが彼女の死因であると予備調査で判明したと述べた。半国営のイラン学生通信(ISNA)が報じた。
ホセイン・ファゼリ・ヘリカンディ首席判事は、彼女の死に関する反政府系メディアの主張は「虚偽」だと述べた。「母親の証言によると、エスマイルザデフさんは自殺を試みたことがあった」と同氏は述べた。警察は9月24日に彼女の死亡届を受理した、と同氏は述べた。
ロイターは彼女の家族と連絡を取れず、コメントを得られなかった。
アムネスティ・インターナショナルは9月30日の報告書で、彼女は9月19日~25日に治安部隊に殺された少なくとも52人のうちの1人だとし、「(エスマイルザデフさんは)警棒で頭部を激しく殴られ死亡した」と発表した。
エスマイルザデフさんが笑顔で音楽を聴いている動画は、多くの人にフォローされているツイッターアカウント「1500tasvir」で約14万7000回再生されている。
アミニさんは9月13日、テヘランで「不適切な装いをしている」として逮捕された。当局は、彼女は「教育」されるために警察署に連行された後、心臓発作を起こしたと主張している。
彼女の家族は、彼女は心臓の病気にかかっていなかったと主張している。彼女の父親は「アミニの足にあざがあった。警察はアミニの死に対して責任がある」と言っている。
イラン政府は調査を命じた。
シャカラミさんが死亡した事件の裁判が開かれ、「シャカラミさんの死は暴動とは無関係」「彼女は屋上から飛び降りた」「彼女の体に銃創はなかった」という当局者の主張が引用された。国営メディアが今週、報じた。活動家らは、シャカラミさんはテヘランでデモ中に殺されたと主張している。
ロイター