
アラブニュース
リヤド:イスラエルの兵士に拘束されて亡くなった、高齢のパレスチナ系アメリカ人男性の家族が、イスラエル防衛省の賠償案に応じたという情報を否定した。
防衛省が声明を出し、78歳のオマール・アブダルマジード・アサド氏の親族との間に和解が成立したと表明すると、家族はこれに対してコメントを出した。
防衛省によると、イスラエルの裁判所に遺族が国を相手取って起こした申し立ては、「この不運な出来事が起きた特殊な状況を鑑みて」50万シェケル(14万ドル)を支払うことで解決した。
イスラエルの公共放送局Kanの報道によると、これと引き換えに遺族は法的な要求を取り下げることに同意した。
アサド氏の兄弟、ナワフ氏は金銭的補償について遺族は防衛省から連絡を受けておらず、また仮にこのような提案があったとしても、訴訟の取り下げが条件であるなら、受け入れるつもりはないと語った。
「私の兄弟について、また訴訟について、何の合意もしていません。
欲しいのはお金ではなく、正義です」とナワフ氏はイスラエルの占領下にある、ヨルダン川西岸地区の家族が住むジルジリヤ村から電話でこう話した。
「拘束する相手の扱い方や、人を守るための訓練を受けているはずの兵士の一団がなぜ、虚弱な老人を殺したのか、説明してもらわなければなりません」
イスラエルの防衛省の声明によると、引退した食料品店のオーナーであるアサド氏は、1月にジルジリヤ村へ帰る途中、検問所で止められ、「検査を拒んだ」。
すると氏は手錠をかけられ、猿ぐつわをかまされ、目隠しをされて20分から1時間の間放置された。
同じ頃、この部隊によって勾留されていた数人の目撃者はインタビューに、アサド氏は明らかに意識を失い、呼吸もしていなかったと語った。
だが、兵士たちは近くに衛生兵がいたにもかかわらず、アサド氏の健康状態を確認しようとはしなかった。
パレスチナ司法省が行った検死では、アサド氏にはいくつかの心臓の持病があり、「外的暴力に起因する、ストレス性の突然の心停止」により亡くなったと結論した。
この事件は国の内外で注目を集め、アメリカの議員たちからは徹底した調査を求める声が出た。
イスラエル防衛省はその後、この事件を「兵士の側の意思決定のまずさと道徳心の欠如の結果生じた、深刻で不幸な出来事」と形容した。
防衛省によると、この件に関与した将校3名の内、1人は懲戒を受け、他2人は指揮権のない立場に転属させられた。
パレスチナ人への傷害でイスラエル軍の兵士が刑事訴追の対象になることはきわめて稀である。
防衛省は、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人が死亡したすべての件に関して、その死が戦闘下で起きた場合を除き、軍による初期捜査を開始すると表明した。