
ワシントン:イスラエルがウクライナを支援するよう圧力を掛けられる中、米国のジョー・バイデン大統領とイスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は26日、イランがロシアに供給している軍事用ドローンによって高まっているウクライナへの脅威について議論した。
ヘルツォグ氏は会談後、ホワイトハウスで記者団に対し、イランの核開発計画や、厳格な宗教法に反対するデモ参加者の鎮圧、イランによるロシアへのドローン売却問題を「中心に」バイデン氏と議論したと述べた。
そのドローンによって「罪のないウクライナ国民が殺されている」とヘルツォグ氏は述べた。
イスラエルは、親欧米のウクライナがロシアの残忍な侵略を阻止するのを助ける米国主導の同盟に関与することに消極的だった。
しかし、ヘルツォグ氏のワシントン訪問によって、この戦争においてイランの役割がますます重要になっていることをイスラエルが懸念していることが明白になった。イランはロシアに自爆ドローンを供給しているとして非難されている。ロシアはそのドローンを使ってウクライナの民間人を標的にしている。
25日、ヘルツォグ氏はアントニー・ブリンケン米国務長官と会談し、イランがロシアに軍事用ドローンを供給していることを証明するために情報を共有すると述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は26日、これを歓迎し、「イスラエルとの関係が良い方向に向かっている……長い中断の後、我々が前に進んでいるのが分かる」と述べた。
バイデン氏とヘルツォグ氏は、イランが核開発計画をめぐって国際社会と論争を続けていることについても議論した。イランは民生利用だけが目的だと主張している。イスラエルは、核合意を復活させようとしているバイデン政権の動きに反対している。制裁緩和と引き換えにイランへの国際査察を再開するという合意だ。
ホワイトハウスの大統領執務室でヘルツォグ氏と並んで座りながら、バイデン氏は、イスラエルがたなざらしになっていた海洋境界画定問題でレバノンと合意に達したことを称賛した。この合意を仲介したのは米国だった。
バイデン氏は「歴史的な出来事だ」と称賛した。
「協力してそれに取りかかるにはかなりの勇気が必要だったはずだ」とバイデン氏はヘルツォグ氏に述べた。「本当に勇気のいることだ。それを成し遂げるには、信念に基づいた粘り強い外交が必要だったはずだ」
バイデン氏は、新たに合意された海洋境界によって、両国はエネルギー分野で発展できるようになり、「新たな希望と経済的機会が生まれる」だろうと述べた。
ヘルツォグ氏は、バイデン氏がエジプトで来月開催される気候サミットCOP27に出席する予定であることをほのめかした。これについてホワイトハウスはコメントを控えている。そしてヘルツォグ氏は「(気候危機は)多くの国が抱えている共通課題だ」と述べた。
ヘルツォグ氏の訪問の数日後にイスラエルでは4年弱で5回目となる選挙が行われる。米民主党政権と緊迫した関係にあるタカ派のベンヤミン・ネタニヤフ前首相が復帰を目指している。
また、バイデン氏の民主党が議会の支配権を奪われることになると予想されている米中間選挙の投票日まで2週間を切っている。
「イスラエルでは選挙があり、米国では中間選挙があるが、一つだけ明らかなことがある。私の考えでは、今回の訪問は、我々の友情、我々の強い絆が、あらゆる政治的な違いを乗り越えていることを縮図的に示している」
AFP