
モハメッド・ナジブ
ラマッラー:パレスチナ自治政府による政治活動家への弾圧は、人権団体からの非難を浴びており、各派閥や人民グループの間で不満が高まっている。
パレスチナ自治政府(PA)の治安当局は11月5日、「人民連合」の調整役であるオル・アサフ氏を逮捕し、同氏とそのグループがパレスチナ解放機構に代わる指導部の創設を計画しているとして同氏を非難した。
PA治安当局は、立法機関であるパレスチナ国民評議会の選挙を実施し、PLOの改革を議論する予定だったパレスチナ人民会議「1400万人」に属する活動家らも追放した。
この人民会議の活動禁止とアサフ氏の逮捕は、先月末からヨルダン川西岸一帯で始まった一連のハマス活動家の拘束に続くものだ。
パレスチナの人権団体アル・ハクの責任者であるシャワン・ジャバリン氏はアラブニュースに対し、アサフ氏の拘束は大きな誤りであると訴えた。
同氏は、「表現の自由は、政治活動家であれ非政治活動家であれ、保護、保証されなければならない。
彼らはパレスチナ自治政府によって迫害、脅迫されてはならない」とした。
「PLOに代わる組織の設立を口にする者はいなかった。
それでも、既存組織は脆弱で、名前以外は存在していない。
PLOの改革を含め、広範で本質的な問題に人々を取り込むことが求められている」(ジャバリン氏)
パレスチナ自治政府とファタハの運動家は、ハマスがPLOに入り込み、組織内の左派の支持を取り付けてPLOを支配しようとしていると考えており、ハマスへの懸念を強めている。
このような状況においては、1965年の設立以来、PLOを率いてきたファタハの役割が希薄になる可能性がある。
ジャバリン氏は、「パレスチナ人にとって、代表と参加が重要なキーワードになった今、パレスチナの制度を改革し、人々を取り込む時が来たのだ」と語った。
同氏は、現地と世界の人権機関がこの弾圧に深く心を痛めていると述べた。
ジャバリン氏は続けて、「最近になって、パレスチナ当局が政治活動家を標的にするようになった。
彼らを逮捕し、その表現の自由を制限するというのは悪い兆候だ」と述べた。
一方、「パレスチナ国家構想」の事務局長であるムスタファ・バルグーティ氏は、アラブニュースの取材に対し次のように語った。
「政治的な逮捕と表現の自由の阻止は大きな間違いであり、容認できない」
また同氏は、最近アルジェリアで行われたパレスチナの諸派の会合で、PLOの選挙を行うことが合意されたと付け加えた。
2006年に行われたパレスチナにおける前回の選挙では、ハマスが勝利した。
それ以来、パレスチナ自治政府のアッバース大統領が約束したにもかかわらず、選挙は行われていない。
「司法と法の支配の独立のための市民委員会」のマジェド・アル・アロウリ事務局長は、Facebookで次のように述べた。
「PLOを再建するための人民会議は、公式メディアが、会議の主催者らに反対するよう扇動する一部の派閥の代表を受け入れ続ける中、組織の新しい指導者の選出に向け、停滞していた水を動かしてきた」
さらに同事務局長は、PLOの政治指導部が、民主的改革と選挙を求めながらもPLOをパレスチナ人の正当な代表と認める人民会議を恐れるのは残念なことだ、と付け加えた。
専門家らはアラブニュースの取材に対し、今のソーシャルメディア時代において、パレスチナ人がオンライン・プラットフォームを介してイスラエル占領の犯罪とPAの権利侵害行為を同時に暴露している以上、パレスチナの治安当局が批判者を黙らせることに成功する可能性は低いと述べた。
その一方で、ハマス政治局員のフサム・バドラン氏は、活動家の拘束と会議の禁止を批判した。
社会主義団体「パレスチナ解放人民戦線」(PFLP)は、政治活動家の逮捕と弾圧をやめるよう求めた。「イスラム聖戦」も、アサフ氏の即時釈放を要求した。