
モハマド・シャマア
カイロ:気候サミットでは、エジプトの港湾都市アレクサンドリアにおける海面上昇の脅威が2年連続で議題に上った。
しかしシャルム・エル・シェイクで開催中の今年のCOP27では、レバノンの歌手ファイルーズがドキュメンタリー「シャット・アレクサンドリア」の中で歌った歌が議論の前に紹介された。このドキュメンタリーはアレクサンドリア住民がこの街の未来に対して抱く不安をテーマにしている。
イギリスのボリス・ジョンソン前首相は2021年のグラスゴー気候サミットで、世界の気温が4度上昇すれば「全ての都市とおさらばすることになる。マイアミも、アレクサンドリアも、上海もだ。全部波の下に消えてしまう」と述べた。
この発言をジョークと捉えた人もいたが、何も新しいことは言っていない。
これまでの研究は、このエジプト第二の都市に対する気候変動の脅威が高まっていると警告している。
前出のドキュメンタリーに出てくるエジプトの写真家は、既に消えてしまった場所や海面が上昇している場所を見てきたと語っている。
「アレクサンドリアがいつか沈んでしまうと聞くと恐ろしくなります」と彼女は言う。
別の住民はこう言っている。「アレクサンドリアは私の故郷です。私たちはずっと前から気候変動について訴えてきました。世界がこの問題を真剣に考えるべき時です」
エジプト当局や市民社会活動家は正にそれを行っている。
気候活動家のアブデル・ワヘド氏はアラブニュースに対し次のように語った。「ここ最近、アレクサンドリア県は多くの措置を熱心に講じている。中でも最も重要なのは、気候変動の影響を制限するためのあらゆるイニシアティブの導入やそれに対する資金提供だ」
使い捨てビニール袋のゴミを減らすことを目指す「ビニール袋のないアレクサンドリア」イニシアティブも立ち上げられた。
ワヘド氏によると、砂浜をきれいにするキャンペーンが市民社会組織と協力して強化されているという。
アレクサンドリア県知事のモハメド・エル・シェリフ少将は、COP27に合わせて出されたメディア声明の中で、「アレクサンドリアは気候変動の結果としてリスクに晒されている最も重要な地域の一つだ」と述べた。
また、国際的な研究で、海面上昇による脅威に関してアレクサンドリアが世界第5位に位置づけられていることを指摘した。