Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • レバノン、何を優先すべきかをめぐる議員らの対立に「社会の崩壊」を警告する声

レバノン、何を優先すべきかをめぐる議員らの対立に「社会の崩壊」を警告する声

レバノン議会の諸陣営は、危機に直面するこの国で何を優先すべきかをめぐって相反する見解を主張している。(AP/ファイル)
レバノン議会の諸陣営は、危機に直面するこの国で何を優先すべきかをめぐって相反する見解を主張している。(AP/ファイル)
Short Url:
17 Nov 2022 07:11:37 GMT9
17 Nov 2022 07:11:37 GMT9
  • 大統領選出が最も喫緊の課題だと考える陣営もあれば、立法を優先すべきだと主張する陣営もある
  • 次期大統領の選出に連続して失敗したことで、レバノンの「権力の空白」の恐れが高まっている

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノン議会の諸陣営は、危機に直面するこの国で何を優先すべきかをめぐって相反する見解を主張している。ある議員はこの状況を受け、「解決策のつぎはぎ」のような政策が変わらなければ「社会が崩壊する」と警告した。

大統領選出が最も喫緊の課題だと考える陣営もあれば、立法を優先すべきだと主張する陣営もある。

このような意見の相違は、ミシェル・アウン大統領が大統領官邸を去ってから2週間以上が経過したレバノンが直面する政治的危機の深さを反映している。

次期大統領の選出に連続して失敗したことで、レバノンの「権力の空白」の恐れが高まっている。

15日の会合では、カターイブ党、民主刷新運動、プロジェクト・ワタン、無所属議員連合の無所属・改革派議員32人を代表する議員19人が「大統領選出が最優先であることに変わりはない」と主張した。

また、「大統領空位を強固にする」ものであるとして立法議会への出席を拒否すると述べた。

ある議会関係者は、「必要な立法」を支持するナビーフ・ビッリー議会議長やその他の陣営はこの姿勢を問題視するだろうと指摘した。

大統領を選ぶための議会での5回目の投票で候補のミシェル・モアワド氏に投票した一部の議員らは、「直ちに大統領を選出することが、憲法に従って機関の機能を再編成し、レバノンを救うために重要だ」と主張した。

他の2つの陣営、レバノン軍団と進歩社会党は同じ立場を共有しているが、15日の会合には出席しなかった。

出席した議員らによると、この会合は「大統領選や今後の問題において他の野党陣営と調整を行うことのできる有力な野党陣営を議会内に作ろうとする試み」だったという。

無所属のビラル・ホウシャイミ議員はアラブニュースに対し次のように語った。「大統領選を優先したい人々は支持される権利がある。実際に我々は支持している。しかし、この姿勢をずっと維持することはできない。以前も2年間大統領が空位だったことがあった。だからといって必要な立法を保留にすべきだろうか」

「我々は野党陣営と共にあるが、ある政党が候補を理由に大統領選を混乱させているからといって、我々は必要な立法を中断させるわけにはいかない。国民の問題を扱っているプロジェクトもあり、無視することはできない」

「大統領選は結論を出せておらず、政党が擁立した候補は誰も勝てない。我々は無所属議員として、ヒズボラの兵器を守るような大統領を選ぶつもりはない。国民を守る大統領を望む。今すぐに事態を解決することはできない」

イマド・ホウト議員は次のように語った。「議会による大統領選出のプロセスに時間がかかったとしても、立法議会を中断するわけにはいかない。必要な立法とはどんな法律でも成立させるということではないが、大統領選出のために国民を人質に取るわけにはいかない」

「ヒズボラが大統領候補の特徴を決めているからといって大統領の選出が妨げられるわけではない。むしろ議論への扉が開かれる」

「ヒズボラは望む大統領候補を擁立できていないし、どの政党も一人の候補に86票あるいは第2回投票での65票を確保できていない。誰もが自分たちの状況を改善しようと努めている」

ビッリー議長は合同委員会の会合で治安活動の延長法を承認すると約束していたが、承認は必要な法案であると判断されるかにかかっている。

レバノン軍団所属で議会国防委員会メンバーのファディ・カラム議員は次のように語った。「この法案が承認される余地はない。我々が立法議会に出席しないからだ。大統領の地位が重要でないかのように、大統領なしで国が機能できるなんて我々には考えられない」

「妨害する者や白票を投じる者に崩壊の責任を負わせよう。解決策のつぎはぎのような政策には何の価値もないし我々を救うこともない。むしろ、社会の崩壊や、憲法、行政、社会、金融の混乱を準備している」

議会委員会の一連の会合でも混乱は明らかだった。特に16日に行われた財務・予算委員会の会合ではそうだった。この会合では、イスラエルとの海上国境画定を踏まえて石油収入に割り当てられることになるレバノン政府系ファンドの法律に関する提案が議論された。

このファンドを党派の口座に限定することに対する懸念が一部の議員から上がったのだ。

15日には、議会委員会が資本規制法案の修正について議論した。

特に人気
オススメ

return to top