
ラマラ、ヨルダン川西岸:パレスチナ保健省は、イスラエル軍が23日未明、占領下のヨルダン川西岸で夜間の襲撃を行い、16歳のパレスチナ人を射殺したと発表した。
同省によると、アハメド・シェハダさんは、イスラエル軍の銃弾を胸に受けて死亡した。このナブルス市でのイスラエル軍の襲撃では、他の4人のパレスチナ人も負傷しており、うち1人は重傷だという。
イスラエル軍からコメントは得られていない。
一方、パレスチナ側は、ヨルダン川西岸北部の都市ジェニンで交通事故により死亡した、イスラエル人市民1人の遺体を収容したと地元メディアが報じた。
イスラエル軍によると、イスラエル人2人が市内に入り、交通事故の後にパレスチナの病院に運ばれたが、1人は死亡、もう1人は重体だという。
同軍は、負傷者1人はさらなる治療のためにイスラエルの病院に移されたが、死亡した人の遺体は移されなかったと述べた。
「遺体はジェニンの病院から運び出され、求められる人道的行為として、間もなくイスラエルに戻される見込みだ」と同軍は述べたものの、詳しい説明はなかった。
同軍は、死亡したのはイスラエルの少数民族出身の高校生だったと付け加えた。
ヨルダン川西岸地区での暴力事件は、ここ数ヵ月で急増している。今年春、イスラエル国内でパレスチナ人の襲撃が相次ぎ19人が死亡した後、イスラエルは容疑者逮捕のための捜査を強化している。
最近の襲撃事件では、少なくとも別の10人のイスラエル人が殺害された。この同じ期間に、130人以上のパレスチナ人がイスラエル側の攻撃により死亡している。
イスラエルによると、殺害された人のほとんどは戦闘員だという。
しかし実際には、イスラエルの侵攻に抗議する若者や、戦闘に無関係な人々も殺されている。
イスラエル側は、ヨルダン川西岸でほぼ毎晩繰り返される逮捕・襲撃は、パレスチナの治安部隊がそれを行えない、または行いたくない時に、パレスチナ人武装勢力のネットワークを解体するために必要なことだと述べている。
パレスチナ側は、こうした逮捕・襲撃は、パレスチナの治安部隊を弱体化させ、イスラエルが自分たちの望む国家建設のために55年間も占領を続けている現状を強固にするためのものだと主張している。
イスラエルは1967年の中東戦争でヨルダン川西岸地区を占領して以降、軍事的支配を続けており、これまでに50万人以上のイスラエル人が同地区に入植、定住している。
パレスチナ人は、自分たちの望む独立国家の領土として、ガザ地区、東エルサレムとともにヨルダン川西岸地区を求めている。
AP