パリ:マフサ・アミニさんの死をめぐるデモを支持したとして拘留されているイランのラッパーが26日に非公開裁判にかけられた。家族は彼の命が危険に晒されていると訴えた。
アミニさんがイラン体制が課す女性の服装規定に違反したとしてテヘランで逮捕され9月16日に死亡した事件に端を発したデモに対し、体制は弾圧を強めている。
人権団体によると、イランのラップシーンで有名なトゥマジ・サレヒ氏は、体制を批判しデモへの支持を示したため先月末に逮捕された。
ニューヨークを拠点とする「イラン人権センター」のツイートによると、「反体制派ラッパーのトゥマジ・サレヒ氏は今日テヘランで、同氏が言うところの『審判』の初日に私選弁護士もいない状態で臨んだ」
同氏の家族は、「神への敵意」と「地上の腐敗」の罪に問われている彼の「命が今深刻な危険に晒されている」とツイートした。これらはシャリーアに関連した罪で、イスラム共和国では極刑に相当する。
サレヒ氏は10月末に失踪した後、イラン国営メディアが11月2日に公開した動画に登場した。
この動画は逮捕後初の同氏の姿をとらえたものとされていた。
そこには、タトゥーを入れ袖なしの黒いTシャツを着た男性が地面に座っている姿が映っている。目隠しをされ、流血し傷を負っている。
この男性はこう言う。「私はトゥマジ・サレヒです。私は間違いを犯しました。私は(…)逃げろと言いました。本気ではありませんでした」
活動家は、この録画は脅迫によって強制された自白だと非難した。
サレヒ氏は、大規模な弾圧で逮捕された多くの著名人の一人だ。
数十人のジャーナリスト、弁護士、市民団体関係者、文化人が逮捕されている。
同氏が逮捕されたのは、カナダ放送協会によるインタビューの中で体制を激しく批判した直後だった。
同氏はインタビューの中で、「相手は国民全員を殺す用意があるマフィアだ(…)自分たちの権力、金、武器を維持するために」と発言した。
イラン国営メディアは、同氏は同国の西部国境を越えようとして逮捕されたと主張している。
しかし家族は、同氏は当時は南西部のチャハールマハール・バフティヤーリー州にいたとしてこの主張を否定している。
AFP