
アラブニュース
ロンドン:複数の慈善団体や活動家グループが、フランスのエマニュエル・マクロン大統領に対し、イスラエル当局によるフランス系パレスチナ人弁護士サラ・ハムーリ氏の追放措置に反対する行動を直ちにとるよう求めている。
イスラエルは1日、ハモウリ氏は「禁止された過激派グループの活動家」であるとして、エルサレムでの居住権を剥奪し、フランスに強制送還する予定であると発表した。
フランス国籍のハモウリ氏は、今年3月から行政拘禁(イスラエル当局が容疑者を起訴せずに数ヵ月間拘束できる手段)によって拘束されており、エルサレムの生涯居住者であるにもかかわらず、早ければ4日にも強制送還される可能性がある。
イスラエル内務省が発表したハモウリ氏の罪状は、イスラエル国家に対する「忠誠心の欠如」で、昨年6月29日に初めて確認された。同氏はこの司法手続きでは有罪にはなっていない。
イスラエルは、ハモウリ氏がイスラエルと米国からテロ組織とみなされているパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のメンバーであると主張している。
同氏は、イスラエルがPFLPとの関係を疑い、活動を禁止しているパレスチナ人囚人の支援・権利団体アダミア(Adameer)の弁護士。かつて、著名なラビの殺害を計画したとして有罪判決を受け7年間服役したが、2011年のハマスとの囚人交換の取り決めにより釈放された。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ、ACAT-France、アムネスティ・インターナショナル・フランス、「パレスチナのためのフランスNGOプラットフォーム」、「人権擁護者保護のためのオブザーバトリー」の各団体はフランスのマクロン大統領に対し、イスラエル当局にハモウリ氏の解放を直ちに要求するよう訴えている。
これらの団体は、追放の決定がエルサレムにおけるパレスチナの人権擁護者・団体にとって危険な前例となり、その前例に基づいて組織的に標的にされる可能性があると述べている。
人権活動団体HaMokedの弁護士、ダニ・シェンハル氏は居住権剥奪について、「祖国に住むという基本的人権を侵害する極端な措置」であると指摘した。
シェンハル氏は次のように続けた。「ハモウリ氏はエルサレムの先住民の一人として、イスラエル国家に忠誠を誓う義務はない。この決定が主に内密の証拠に基づいてなされたという事実は、不当な状況を悪化させるだけだ」
イスラエルの最高裁判所は今週、HaMokedの訴えを退け、強制送還への道を開いた。